190812 合唱指導の先生が出演するとあって、団から10名ほどで観に行った。
二日公演の二日目。先生はヒロイン役。大役を立派に務められた。あとで聞いたら、直前まで声がまともに出ない症状で、今回ばかりはかなり焦ったらしい。
仮面を見るのは2年ぶりか。前から5列目(前4列をオケスペースにつぶしているので券面上は10列)で、すこぶる見やすい席。視覚・聴覚両面で申し分のないポジション。
このホール、以前マダムバタフライを観た時は、えらく乾いた音響で、本来うまいはずの歌手の声がまったく響いて来ず、不安だったが、今日はどうしたわけか、まあまあ普通に響いていて一安心。多分、そのために舞台セットを工夫していたように見えた。
予算の関係もあるだろうが、ごくシンプルなセットで照明をうまく多用してまったく違和感のない空間を創り出していたのは立派。コスチュームもけっこうな数だから(合唱団は自前だろう)コスト面ではやりくりが大変だったと想像される。
荒川区民オペラは、数ある区民オペラの中でもトップクラスで、毎回感心させられる。オケも合唱もよく訓練されていて、@¥5,000(全席指定)で、こうした本格派のオペラを見せてくれるのは、実にありがたい。
ソリスト陣、よく頑張っていて、聞き応え十分。欲を言えば、さらに前へ前へというエネルギーの迸りのようなものが感じられればなおよかった。なんとなし、こじんまりとまとまってしまったような印象も拭えない。例えば占い女、ウルリカは重要な役で、もう少し低音部を響かせて、恐怖感のようなものを味あわせてもらえればよかったのかも。
小姓のオスカル、素晴らしくうまいのだが、どちらかと言えばスピント系に近い声なので、もう少しレッジェーロで透明感のある声質が望ましいように感じられた。これもないものねだりで、たった¥5,000しか払ってないで、贅沢言うなと叱られそうだ。
#50 文中敬称略