ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

「みんなのレオ・レオーニ展」@損保ジャパン日本興亜美術館

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レオ・レオーニ(1910 - 1999)はアムステルダム生まれのオランダ人ということになっていて、姓をオランダ語でどう発音するか知らないが、どう見てもイタリア系。つまりリオンニという発音だろう。調べると、彼の祖父はセファルディム系のユダヤ人ということ。本人もイタリア系であることは相当意識していた様子。事実長期間イタリアに住んでいたし、没したのはトスカーナであることからも窺える。

アメリカのフィラデルフィアに移住したり、スイスの大学で経済学を学ぶなど、まことに多彩な人生である。画業の初めはやはりイタリアで共産党系の人物と知り合い、一時未来派に属したこともあったという。今回は、その時代の作品も僅かながら展示されており、興味深く鑑賞した。

絵本を多数出版していて、この日も子供づれの母親が多く入館していた。雨天にもかかわらず、入口で行列している場面はこの美術館で初めて見た。

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なぜかこの表紙はあざやかに覚えている。1955年ということだから、自分の中学生時代。

主に色鉛筆、コラージュなどで、夢のある色彩豊かな画面と童心をくすぐる図柄が多い。原画と絵本とを並べて展示してあり、またあちこちにレオーニの絵本が読めるようなブースが設けれていて、そこで母親が子供に熱心に説明している姿が微笑ましかった。

絵本の他に、グラフィックデザインとして、企業の広告も多く手がけており、たとえば、イタリアの、当時としては世界的なタイプライター会社であったオリヴェッティの広告などに、デザイナーとしてのレオーニの鋭い感性が光った作品も少なくなかった。

会期は9月29日まで。平日は10:00-18:00。月曜休館。

 

画像は同展のホームページから。