ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

「アド・アストラ」

190926

AD ASTRA (星の彼方へ)米 123分 製作(共)・脚本・監督:ジェームス・グレイ、主演:ブラッド・ピット(共同製作者にも)

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前評判、それほど芳しくなかったが、どうもこうした宇宙モノはつい見てしまう。壮大な宇宙を舞台にした作品は数知れず、とくにCGが進化した近年、格段に増えた印象。その中でもこの作品はかなり上位にランクされてしかるべきものと思う。映像も音響も群を抜いて素晴らしい。

筋の展開は、まあ単純と言えば単純、「2001年宇宙の旅」ほど深遠な内容を持つものでなく、誰でも十分に楽しめる作風には好感する。

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やつれた姿の父親とついに感動の再会

偉大な宇宙飛行士である父(トミー・リー=ジョーンズ)の後を追ってアストロノートになった息子、ロイ・バクブライド(ブラッド・ピット)、地球外知的生命体を探す目的で海王星ネプチューン)まで行って16年前に消息を絶った父親が、実は生きているという情報があり、捜索に行くよう軍上層部からの命を受け、月へ、次いで火星へ、そして最終目的地の海王星へ。ついに父親との再会を果たすのだったが

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月面車走行シーン

画面が一段と精緻で美しい。卓抜せるカメラワークによる臨場感がたまらない。月で月面車で走行中に敵の一軍に狙われ漆黒のクレーターに車ごと転げ落ちて行くシーンは、いわゆる派手なカーチェイスなど到底及ばないほどの迫力を生んでいる。

その他、火星でのシーンなどもリアリティーに溢れた撮り方で、それだけでも本作を見る価値があろうというもの。

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宇宙エレベーターでの事故で、地上へと落下していく冒頭シーンのど迫力

主演のブラピが落ち着いて、抑制の効いた素晴らしい演技を見せる。

ちなみにこのタイトル、AD ASTRAはラテン語で星々の彼方へ、という意味だが、これは元の言い回しとして、PER ASPERA AD ASTRAとあり、「困難を克服して、栄光をつかむ」というような意味だそうだ。

#58 画像はIMDbおよびALLCINEMA on lineから