ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

「テルアビブ・オン・ファイア」

191127 TEL AVIV ON FIRE ルクセンブルクイスラエル・フランス・ベルギー合作。脚本(共)・監督」サメフ・ゾアビイスラエル人 44歳)

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この作品、パレスティナイスラエルの関係をある程度押さえていないと理解しにくい、日本人がやや苦手とする舞台設定。

パレスティナの人気テレビ連ドラの製作現場で見習いとして働くパレスティナ人青年が主人公。この人物、イスラエル側に住んでいるため、撮影現場への往復はいちいち検問所を通る必要があり、これがのちの展開の伏線になっている。

彼が言語に優れた能力を持っていることから、劇中使われるセリフを巡って、専門的なアドバイスをすることから重宝がられる。劇中、女性への褒め言葉として”爆発的に”美しい、という表現は不適切と指摘、国境で身分証を要求する女性兵士についこの表現について質問したことから騒ぎとなる。

連行されたテントで女性兵士の上官である司令官から尋問を受け、窮地に立たされるが、職業を聞かれ、おもわずテレビドラマの脚本家と言ったことで、連ドラの大ファンであるその上官がえらく彼に関心を示し、話が意外な方向へと・・・。

国際的な映画賞を取っているらしいが、わざわざ映画館へ足を運ぶような作品ではない気がした。せいぜいB級ドタバタ喜劇。ただ、本来途方もなく緊迫しているはずの国境線付近で生活している市井の人々を、こうしたユーモア溢れる描き方をしたこと自体はすばらしいのだろう。

自分には展開がもたもたしているように感じられ、たびたび睡魔に襲われた。喜劇なのに、場内ほとんど笑い声なし。それにしては、劇場は満席で、次の回も完売という表示だった。もしかしたら、タイトルに惑わされたか。

#70 画像はIMDbから。