ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

「偽りの忠誠 ナチスが愛した女」

181217 THE EXCEPTION 英米合作 108分、2016年、監督:デビッド・ルヴォー(フランス風の名前だが、イギリス人、62歳)

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退位したドイツ皇帝、カイザー・ヴィルヘルム2世の身辺警護を不本意ながら任されたナチスのある大尉と、実はイギリスのスパイで邸内の小間使いをするオランダ女(実はイギリス人)との禁断の恋を通じて、第2次大戦末期の、微妙なナチスと、復権を密かに企む老いたる元皇帝との駆け引きを描いた作品。

ヒトラーの側近中の側近であるハインリッヒ・ヒムラーなど実在の人物が登場するが、フィクションである。

小間使いを演じるリリー・ジェームスが文字通り体当たり演技を見せ、新境地を開いたような印象を受ける。

カイザー役はクリストファー・プラマー、貫禄の名演技である。若い日に演じたフォン・トラップ少佐は徹底的にナチスを嫌った人物として描かれたが、本作での皇帝は、時にナチスに同調したり、時に嫌ったりと、立ち位置が微妙にずれていたようだ。

終盤は、ハラハラドキドキの展開で、サスペンスとしてもよくできた作品。

#73 画像はIMDbから。