200128 PARASITE 韓 132分 脚本・監督:ポン・ジュノ
これは、もうかなりの面白さ!カンヌ映画祭でパルム・ドール賞を取ったというのもむべなるかな。いかにもフランス人が好みそうな作品。
ソウルの超高級住宅に住む、絵に描いたような富豪一家と、対照的に半地下の住まいでその日暮らしの極貧一家とが、いかなる事情・経緯から接点を持ち、その過程が奇想天外かつ痛快なだけに、結果の悲惨さの対比の妙!それでいて、後味は決して悪くない、ある種、爽快感さえ漂う世界を巧みに描いた佳作。
身分を偽って、娘の家庭教師、息子の絵画療法士、主人専属の運転手、そして家政婦に一人づつ富豪一家に入り込む極貧一家、見破られるきっかけの一つとなるのが体臭という設定が面白い。いくらうわべだけそれらしくしていても、長年身にしみた体臭だけは隠せないということらしい。
終盤で、未曾有の豪雨により半地下は水没、一家が避難生活を送る体育館の様子が、毎度日本で見る避難所生活とまったく同じであるのには、笑えぬ衝撃を受けた。
また中盤、突如'60年代にヒットしたカンツォーネ、ジャンニ・モランディの「貴方にひざまづいて」(IN GINOCCHIO DA TE)が流れたのにはびっくりした。ポン監督はその世代ではないだけに。
#2 画像はIMDbから