ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

「パラサイト 半地下の家族」

200128 PARASITE 韓 132分 脚本・監督:ポン・ジュノ

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これは、もうかなりの面白さ!カンヌ映画祭パルム・ドール賞を取ったというのもむべなるかな。いかにもフランス人が好みそうな作品。

ソウルの超高級住宅に住む、絵に描いたような富豪一家と、対照的に半地下の住まいでその日暮らしの極貧一家とが、いかなる事情・経緯から接点を持ち、その過程が奇想天外かつ痛快なだけに、結果の悲惨さの対比の妙!それでいて、後味は決して悪くない、ある種、爽快感さえ漂う世界を巧みに描いた佳作。

身分を偽って、娘の家庭教師、息子の絵画療法士、主人専属の運転手、そして家政婦に一人づつ富豪一家に入り込む極貧一家、見破られるきっかけの一つとなるのが体臭という設定が面白い。いくらうわべだけそれらしくしていても、長年身にしみた体臭だけは隠せないということらしい。

終盤で、未曾有の豪雨により半地下は水没、一家が避難生活を送る体育館の様子が、毎度日本で見る避難所生活とまったく同じであるのには、笑えぬ衝撃を受けた。

また中盤、突如'60年代にヒットしたカンツォーネジャンニ・モランディの「貴方にひざまづいて」(IN GINOCCHIO DA TE)が流れたのにはびっくりした。ポン監督はその世代ではないだけに。

 

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これが冒頭シーン。半地下の家の様子がわかる。

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便器がこの高さにある不思議な空間!

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母親は元ハンマー投げの選手だったという設定が愉快。

#2 画像はIMDbから