ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

地元合唱団、4ヶ月ぶりに練習再開へ!

200719  先月、練習再開を決めたものの、この日が近づくにつれ、東京の新規感染者が猛烈な勢いで増えてきて、これじゃ再開しても練習参加者がいないのではと恐れていたが、なんとか想定に近い人数が集まり、とりあえずほっとした次第。

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これぐらいスカスカだと、なんとか三密回避はできたかな。

70人用のホールに15名なので、たっぷりと間隔が空けられて、密にはならずに歌えた。また全員マスク着用は当然だが、さらにマスク内部に団員が考案した自作の”秘密兵器”を忍ばせたので、たっぷり口周りに空間が作れて、思ったほど発声に苦労することはなかった。

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2時間ほどの練習で、30分ごとに換気タイムを5分ほどもうけ、ま、このかたちなら、今後も練習が続けられそうな感触が得られてなによりだった。

終了後は、みなでランチをたのしんだりするのが常だが、家人がうるさいので、まっすぐ帰宅することにした。次回は会場が大森で、しかも夜だから、飲みたい誘惑にまけないようにしないと。用心、用心!

4ヶ月ぶりの生音、生声!!

200711

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4ヶ月も演奏会を聞かなかったことって、もう思い出せないほど、はるか昔のことのよう。それだけに、小柄なマエストラが下手袖から姿を現した瞬間は感動的。沖澤のどかは、ブザンソン優勝者として一躍名を馳せたが、小柄童顔ゆえか、歩き方はかなり工夫しているようで、大股で堂々たる印象。(大変失礼だが、欧米ではまだ年端も行かない少女と映ること、間違いない)

今日は初めてのことがいくつか。まず高輪ゲートウェイに停車したこと。つまり、京浜東北線に乗るのも4ヶ月ぶりという次第。そして到着した上野で、いつものように階段を上り切って左側に移動しようとすると、見慣れぬ光景!一瞬焦った。表示に従って、さらに前方に移動。凡そ20mほど鶯谷寄りに新しい公園口が。

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Google Earthでは、すでに新しい位置に公園口の記載がある。

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なにやら上階には飲食店やらショップがいろいろできている様子。それにしても、これまでは改札口を出ればそこは東京文化会館という絶好の立地だったのに、ちょっと残念!

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オペラ「フィデリオ」は二期会にとっては、ベートーベン・イヤーの目玉ゆえに、冒頭に今日のコンサートのタイトルになっているこのアリアを持ってきたのは、至極分かりやすい。すでにベテランの域の木下美穂子が情感たっぷりに歌い上げる。

城宏憲は、今更だから言及をあえて避けるが、2分程度のこのアリアで終わらせるにはあまりにもったいない。なにかもう少しどっしりしたアリアを歌わせてあげたかったなぁ。今日、一番びっくりしたのは中島郁子。UNA VOCE POCO FAは、途中からアジリタが始まり、軽快な歌唱技術も求められるし、決して侮れないアリアだが、それを軽々と歌ってしまって、進化ぶりを発揮していた。

続けて同じ「理髪師」から、これまた七面倒臭い「わたしは街の何でも屋」、名手黒田 博が見事なテクニックを披露、バリトンでもテノール気味の高音が何ヶ所か出てくるのだが、彼は上のドまで出せるといつか本人から聞いていたぐらいだから、朝飯前の屁の河童である。

25分の休憩時間にロビーをうろうろしていたが、久しぶりの公演にしては、あまり知る顔が多くなかったのはやや意外だった。

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後半、我が国のバス第一人者妻屋秀和が登場。なんと長髪を後ろのなびかせている。日本人離れした容貌・体躯で、また一段とマエストラが小さく見える。超低音を朗々と響かせて風のように去っていった。

本来であれば、まさに今日上演されていたはずの、これまた二期会の今年の目玉となるはずだった「ルル」である。下手から森谷真理、そして上手からダンサーの中村 蓉が同時に登場。舞台前方に白い椅子が二つ並べられていて、これを小道具にして演技。中村のダンスは実に激しいモダンダンスで、森谷には申し訳ないのだが、神経は中村に集中。途中から、着ていた白い衣装を脱ぎ捨てるという意表を突く激しさだ。

最後は、大御所、福井 敬がNESSUN DORMAで締め括り、アンコールはなし。後ろでおばさん二人が「アンコール、絶対やるわよね、まだ時間あるし」とか聞こえてきたが、残念でした。

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平土間は前から4列をつぶし、5階席も入れてない。その他は、このように一つ置きに黒いカバーがかかっていて売っていないから、稼働は千席ぐらいだったのか。オケも相当後ろへ陣取ってる。

#11 文中敬称略

散歩道のミニ・ギャラリー(その後)

200706 ちょうどあれから一月後にミニ・ギャラリー前を通りかかった。近づいてみると、がらりと内容が変わっていた。もしかすると毎月模様替えをするのだろうか。「今月」のテーマはモザイクのようだ。何度も海外旅行を重ねて、こうした美術関係の土産品の収集量もはんぱない様子。

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テレワーク開始、

200707  今頃からテレワークを始めることに。と言っても、パソコンなど一切使わない、完全なるアナログ方式である。

内容はかつての職場の子会社から委嘱を受けて、以前からやっている通信教育の添削業務。観光地理と旅行英語を担当している。採点は比較的すいすい捗るのだが、講評で時間を取られる。

ここは指導員により、多少スタンスが異なることもありうるが、基本的には、解答のどこに問題があったかについて、明快に受講者に指摘する必要があるのだが、仮に得点が低くても、希望を持たせる表現を常に心がけることが肝要である。間違っても、鋭く弱点を突くのは御法度。

社員教育の一環で、社員に対するインセンティブ、あるいはモチベーションを与える・高めることを主眼に実施する企業が多いが、現下のようにコロナ禍で社業が疲弊すると、そういうところから経費削減へと向かう企業も少なくないから、こうした通信教育のような事業は大きく影響を受ける。速くコロナ禍が収束して、末端のわれわれ添削講師も多忙になることを願ってやまない。

 

「ポーギーとベス」METライブビューイング

200702 コロナ禍で本来とっくに終わっていた上映期間が延長になり、ぎりぎり最終日に見に行った。映画館での鑑賞はちょうど3ヶ月ぶり。例年だと年間100本ぐらい見ているから、今頃は50本を超えている時期。これが17本目!ま、でも見られるようになっただけマシだが、帰宅したら東京の新規感染者が100人越えと知って、またしばらく映画館からは遠ざかざるを得ないかも。

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主役の二人、エリック・オーウェンズとアンジェラ・ブルー。名唱、名演技には大喝采

あまりにも有名なガーシュインの傑作だが、知っていることと言えば「サマータイム」程度。それをいきなりMETの公演をライブビューイングとは言え鑑賞できたのは、実にラッキーであった。

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この映画館、休業中にスタッフが入れ替わったのか、普通は入口で渡されるはずの

スケジュール表が渡されず、仕方ないから休憩中にもらいに行った。


正味、3時間少々とグランド・オペラ並みかそれ以上に長いオペラである。西欧ものと異なり、舞台がアメリカ、サウス・カロライナ州、チャールストンの海辺に近いCATFISH ROW(ナマズ横丁)で、出演者は全員アフリカ系アメリカ人。さらに曲風もクラシックとジャズと、土着の民族音楽フュージョンという異色作。ガーシュインが亡くなる2年前の1935年の作品ということだが、彼もしてやったりの出来栄えだったに違いない。

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回舞台に仕込まれているのは2段になった横丁の一角で、右端にはポーギーのあばら屋が。

全員が黒人というのもすごいが、一人一人の歌唱力やら身体的表現力の、他の人種には見られないパワフルさには、ほとほと圧倒され感動させられた。客席まで汗が飛んできそうな、それほどの風圧を終始感じた3時間だった。

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ベス役のソプラノ、アンジェラ・ブルー、この相手役、スポーティング・ライフ(テノールフレデリック・バレンタインを二回りぐらい凌ぐ体格だから、とてつもないエネルギーを発散しつづける。巨体に似合わず、顔と表情は実に愛らしい。

 

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オペラの冒頭、「サマー・タイム」を熱唱するクララ役のゴルダ・シュルツ、本キャスト陣では、唯一の非アメリカ人。南ア出身。

このオペラで最も知られたアリア「サマー・タイム」が、冒頭でいきなり歌われることも知らなかった。(これでオペラ愛好家と言えるのか、我ながら大いに疑問だ!)

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ダンサーたちがまた素晴らしい。もう身体に染み付いた動きをそのまま舞台で繰り広げるだけという印象。ついでながら、身体的にも白人種や他の人種にはない逞しさや手足の長さを全面に漲らせていて壮観!

合唱ももちろん大迫力だし、ソリストが時折アドリブ的に音を変えたり、ひねったりすることがあっても、即対応する力があるとは、休憩時のインタビューで、さきほどのバランタインが明かしていた。

他所ではまず見ることのできないこのような贅沢な公演が見られて大満足。客席は特別な措置が講じられているから、ガラガラ!劇場にはちょっと気の毒なほど。

#17 (画像はMETライブビューイング公式ホームページから)