ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

WINTERTHUR COLLECTION

f:id:niba-036:20100819090723j:image
蒸しぶろ状態の中、はるばる世田谷美術館まで脚を伸ばした。好きな美術館なれど、何せ足回りが悪すぎ。最寄駅は用賀だが歩けば15分、快適な季節なら歩くが、猛暑では無理。バスに乗れば、15分以上。ルートが悪いのだ。しかも1時間に2本しかない不便さ。だから、あそこへ行くにはかなりの覚悟が必要。

Winterthurはスイスの田舎町。そこの町民が大事にしている主要作品を展示中。全部で90点という話だが、そんなに?という印象。すまないけど、代表作は多くはないと言うこと。

んで、代表作は何と言ってもファン・ホーホ(限りなく原音に近い筈だが)の↲この作品。郵便配達人ジョセフ・ルーラン。アルルに住み始めた頃、近くに住んでいたこの夫妻を描いた作品は多いそうだ。当時としては、真っ黄色の顔に緑の陰影をつけられて、さぞ描かれた方がびっくりしただろう。この人、大した絵描きではないと思った筈だ。バックも真っ黄色というところが凄い。さすがゴッホである。美術館も、他の作品とは別にこの作品にのみ別の背景を用意。それは紺地。見事な配慮という他なし。
f:id:niba-036:20100819091401j:image:left
f:id:niba-036:20100819091400j:image:left
f:id:niba-036:20100819091359j:image:leftスイスの美術館だから、スイス人の、ヴァロットン、クレー、ホドラーなどが多いのは当然。他に、ドラクロワ、コロー、ドーミエ、モネ、ピサロシスレー、ドガ、ルノワールゴーギャン、ボナール、マルケ、ヴラマンク、ヴュイヤール、カンディンスキー、ココシュカ(風景がで良いのが)、ピカソ、グリス、ブラック、レジェ、ル・コルビュジエ(ピュリズム)、モランディなど、錚々たる名前が挙がる。しかし、良い作品は多くはない。

そんな中で、フェルディナント・ホドラーの力強い作品が光彩を放っていたように思えた。また、ブロンズではメダルド・ロッソの作品が目を引いた。また、上下に目一杯引き伸ばした人物像などで知られるアルベルト・ジャコメッティの父、ジョヴァンニ・ジャコメッティの油絵が2点。
f:id:niba-036:20100820095235j:image
周辺環境はかくのごとく緑一色。広大な砧公園の一角にあるのだから、最高の環境。