ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

「マチェーテ」

f:id:grappatei:20101108173555j:image
101107 TOHOシネマズ川崎 原題もMACHETE 米 105分  [監][製][脚]ロバート・ロドリゲス他 [出]ダニー・トレホジェシカ・アルバロバート・デ・ニーロ、スティーブン・セガール、ミシェル・ロドリゲスリンジー・ローハン

B級映画でこれほど面白い作品も珍しい。一種のスプラッターかも知れぬが、描き方がカラッとしていて、残酷さや陰惨さはほとんど感じることはない。なにしろタイトルがマチェーテ(そりのある大ナタ)というぐらいだから、ある程度内容も想像できようと言うものマチェーテを巧みに操る主人公の名前でもあるのだが。

舞台はテキサスと国境を接するメキシコ。そのマチェーテ(トレホ)、今は日雇い労働者に身をやつしているが、実は元伝説的なナイフの使い手の辣腕メキシコ連邦捜査官。3年前にメキシコの麻薬王トーレス(セガール)に妻子を目の前で惨殺された過去を持つ。当然、報復の機会を窺っている。

そこへ、不法移民嫌いの極右上院議員マクラフリン(デ・ニーロ)の暗殺依頼が来て、乗ったものの、実はトーレスとマクラフリンが仕組んだ罠。かくして、暗殺犯として追われる身となったマチェーテは、彼らの陰謀を暴こうとするが、彼の前には、次々と殺し屋が現れたり、法律と正義の間で葛藤する美人移民局職員サルタナ(アルバ)、反逆と革命を目指すセクシーなトラック運転手ルース(ミシェル・ロドリゲス)、銃の扱いに長けている尼僧姿のマフィア娘(ローハン)などが登場するなど、まことににぎやかな展開となる。

なかなかうまく整理してある脚本のおかげで混乱することなく、多少血なまぐささも確かにあるが、たっぷり楽しめる。
f:id:grappatei:20101108181400j:image
主役のトレホが忘れ難い存在。何しろこの面構えである。カリフォルニア生まれだが、ヒスパニックか、ひょっとすると先住民の血が入っているのではと思われる。少年時代からかなりのワルで、あのアルカトラスに繋がれていたというから筋がね入りだ。刑期を務めあげてから俳優としての道が開けたようだ。60歳ながら、鍛え上げられた肉体は20は若く見える。

#54