130622 現在開催中の川合玉堂展のブロガー・ナイトに参加。
特別展の概要は、
当館創設者で初代館長の山崎種二が生前の玉堂と親交があったことで、当館で実に71点もの彼の作品を所蔵しており、これらを全点あますところなく公開、更に国立近代美術館、玉堂美術館、松岡美術館、五島美術館等からの借り出し、あるいは個人蔵も含めた玉堂の全貌が鑑賞できるまたとない貴重な機会だ。また、同時代の大家、横山大観、竹内栖鳳、川端龍子の作品も併せて展示されている。
今回はブロガー内覧会ということで、写真撮影、それも一点撮りが特別に許可されが。全員撮影に夢中で、自分の目で見るのを忘れているという案配。それでも、時間がたっぷりあったのと、会場がそれほど広くないので何度も繰り返し、じっくり見られたのが有り難かった。
冒頭、ブログ「弐代目青い日記帳」で知られる美術評論家中村剛氏から概要説明があり、その後、館長の山崎妙子氏(創設者のお孫さん)から、主要作品について、会場を回りながら懇切丁寧な解説をいただいた。
幼い頃から俳句や和歌に親しんでいた玉堂、絵を描くと共に⬆こうして歌も詠んでいたのだ。しかも、書家でもあったというから、凄い才能を併せ持っていたようだ。この絵、鵜飼のかがり火から上がる煙が描写も素晴らしい。こうしたぼかし方は、煙しろ、水蒸気にしろ、彼独特の味のある技法。
「二日月」(国立近代美術館)目を凝らすと、中天に微かに見えるのだが・・。これももやっている感じが見事な作品。
「春風春水」アングルが面白い。
「山雨一過」描くのは飽くまで大自然だが、どこかに小さく人物を配することを忘れない。普通の人々に対する作者の愛情が感じられる。
「磯千鳥図」松岡美術館蔵 後期出展予定で、今回は会場で見られず残念。この波の描き方はまごうことなき琳派の流れ。
「焚火」五島美術館蔵 これも7/9からの後期出展予定作品。
絢爛豪華な「紅梅図」
孫の誕生を外地にいるお婿さんに早く知らせようとスケッチして、脇に文章も。当時、写真だと、現像に手間取るので、スケッチの方が早いと判断したらしい。達筆なこと!
こうしたカリカチュア風のタッチは珍しい。モデルは当時の全日本チャンピオンの稲田悦子(1924-2003)
このしぶきの描き方は北斎を彷彿とさせる。
「松竹梅」豪華なそろい踏みである。
雪の部分は何も塗らず、地のままである。
手前の人物をクローズアップすると⬇、これが実に丁寧に描いてあることが分かる。
「行く春」の小下図だが、舟の位置をどこへ持ってくるか、こうして何枚も貼付けては試行錯誤していることがよく分かる。
一段落したところで、階上へ誘導され、今度は本展に合わせて作品のイメージを表現した特製和菓子を賞味しながら、大型モニターで今見たばかりの絵を参加者がフェイスブックでアップしていき、それをスタッフが順次紹介するという、私には初めての、結構楽しい催しに参加。
今回、作品のイメージに合わせて作られた和菓子。私は左下の「川の風」を堪能した。様々な試作品を作り、ボツになったものもかなりあったらしい。
出口付近でブロガー達と談笑する館長の山崎妙子氏。
なお、画像の一部は山種美術館のサイトからお借りしています。