140623
いつ見ても心躍らされる色彩の妙。この人、1877年、ル・アーブル生まれ。(1953年、パリで没する)ル・アーブルは南仏と違って、光がさほど強くない英仏海峡に面する港町。その後、26歳の時に南仏に移り、マチスやセザンヌの作品に触れたことで、大きく才能が開花していくきっかけになったように思う。
章立ては、以下の通り。
第1章 1900-1910年代 造形的革新のただなかで
第2章 木版画とテキスタイル・デザイン
第3章 1920-1930年代 様式の確立から装飾壁画の制作へ
第4章 1940-1950年代 評価の確立と画業の集大成
第1章では、模索の時代とも言える。一見してマチス風だったり、セザンヌ風、或はアルベール・マルケ風だったり、その変化を楽しむかのようにも見える。モジリアニのような「欲女」も印象に残る。
第2章では一転して木版画やテキスタイルデザインに精を出している。テキスタイル・デザインは、その道のプロ、ポール・ポワレに出会ったことによる影響だろう。
第3章で、デュフィらしさ全開という、目の眩むような作品があまた。43歳から53歳という、最も充実した10年だったろう。
イギリスのヘンリー・レガッタ。色彩の乱舞。
「馬に乗ったケスラー一家」(テート・ギャラリー蔵)。構図といい色といい、圧倒される。この作品は200号(縦2m, 横2.7m)ぐらいで、展示室でもひときわ目立つ作品。上の画像は余り発色がよくないが、実際はもっと明るい色である。一度、ケスラー家に依頼されて作った作品の受取りを拒否されたため、改めて作り直した作品とか。こうなると最初の作品も見たくなる。