141214 バリトン・リサイタルの後、同じオペラシティ内3階ギャラリーで開催中のこの展覧会に。
2019のラグビー・ワールドカップ、2020の東京オリンピックの会場となる予定の新国立競技場建て替えプラン・コンペに堂々優勝したのはまさにこの人。イラクはバグダッド出身で、ただいま64歳の女流建築家。
個人的には、こういう風致地区にはふさわしくない大きさとデザインだと思う。しかも予算をはるかに超えたために、当初プランを縮小せざるを得なくなり(アーチの両端を切り落としたことに)、デザイナー側は大いに不満であろうことは容易に想像できる。双方にとって不幸な結末になりそうなのに、すでに実現に向け動き出しているのはまことに残念という他なし。
しかも、オリンピック後の莫大な年間維持費は我々の税金から支払われることになるだろうに。ロンドン・オリンピックの主要会場同様、その後は減築することを、当初からなぜ見込んだ設計にしなかったのか!
それは、しかしザハの与り知らぬ問題であるから、とりあえず措くとして、会場内に展示されたスペックや映像で見る限り、やはり天才的な建築家なのだろう。あまりに突飛なデザインゆえ、実現不能ということから、「アンビルトの女王」などという有難くもない異名を奉られているようだが、実は彼女の暮らす英国や、中国では、すでにいくつも竣工済みであることを初めて知った。
日本でも実は内装だけだが、札幌のレストランに彼女の作品が四半世紀も前に出来ているとは、あまり紹介されていない事実だ。
以下はローマに2010年春オープンしたMAXXI 国立21世紀美術館の外観・内観。
会場内の大画面に次々に映し出される竣工済の彼女の作品群を見せられると、やはり、こりゃすっごい天才だと思わざるを得ない。