150524 原題:BEFORE I GO TO SLEEP 米英仏スェーデン合作 原作:S.J. Watson 「私が眠りにつく前に」 [監]ローワン・ジョフィ(英)、[製作総指揮]リドリー・スコット [出]ニコール・キッドマン、コリン・ファース、マーク・ストロング
事前に批評を見ると賛否分かれていたが、キャスティングに惹かれて見に行った。主役の二人は、2013年、「レイルウェイ 運命の旅路」で共演している。原作者、製作総指揮、監督、主演、いずれも米人でない。(キッドマンはオージー、他はすべて英国人)
キッドマン扮するクリスティーンがある朝目覚めると、横に見知らぬ男(ファース)が。(このシーン、キッドマンの緑がかった青い瞳の大写しで始まる。「サイコ」の有名な例のシーンを思い出した。)驚くクリスティーンが男に問い詰めると、自分は14年前に結婚した夫のベンで、クリスティーンは事故による記憶喪失だと告げる。
俄かには信じられないが、壁一面に貼ってある二人の写真などを見るうちに、次第に彼の言うことを信じ始めるが、そこへナッシュと名乗る医師(ストロング)から電話で、納戸の奥にあるカメラを探すよう指示され、録画された動画には自分の姿と声が。そうすることで、前日に起きたことが記録できると言うわけだ。
更に医師が言うには、記憶障害は事故でなく、”事件”によるものと告げられ、更に混乱するクリスティーン。夫の言い分が正しいのか、医師は何をどこまで知っているのか・・・誰かに救いを求めたいクリスティーン。
中盤までの展開はハラハラドキドキの連続でうまく撮っていると思う。しかし、このナッシュと名乗る医者の本当の狙いがよく分からないままで、更に、仲良くしていたと言うクレアなる女性が途中から絡み出し、重要な役割を果たすことになるのだが、このあたり、もう少し丁寧に描けなかったのか、若干惜しい気もする。
ベンが偽物らしいというのは、かなり早い段階で分かるが、さて本物のベンはどこでどのように登場し、どんな奴か興味津々ということになるのだが・・・これがガッカリなのだ。
間も無く50に手が届くキッドマン、まさしく「花の色はうつりにけりないたづらに・・・」である。演技はまあまあ。寧ろファースの演技の方が光る。
#35 画像はALLCINEMA on lineから