ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

「南太平洋」@銀河劇場

150813 藤原紀香別所哲也主演のミュージカル「南太平洋」を見に行った。この作品が映画になって日本公開されたのが、1958年秋。リチャード・ロジャース/オスカー・ハマーシュタインII世によるミュージカル映画が大好きだった当時高校生だった愚亭は「回転木馬」、「オクラホマ」、「王様と私」を見て、すっかり彼らのファンになっていたので、公開を待ちかねるようにして劇場に並んだのを覚えている。

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数々の美しいメロディー、若々しいミッツィー・ゲイナー、かっこいい初老の魅力満載のロッサノ・ブラッツィに憧れ、ほとんどのナンバーを丸暗記して覚え、案外これが英語の勉強にも繋がっていったから面白いものだ。

ところで、この作品、ミュージカルながら、底辺に、実は人種問題というやや重いテーマを抱えている。ネリーとケーブル中尉は、かたやアーカンソー州リトルロック出身、こなたニュー・ジャージー州プリンストン出身と、人種問題では結構囂しい土地柄。ゆえに、ネリーは、フランス人エミールとの結婚をためらい、ケーブルはトンキン娘と激しい恋に落ちても、最後は思いとどまるという段取り。今回の舞台では歌われなかったが、この二人は、共通する悩みを抱え、それを吐露するYou've got to be carefully taughtという歌を歌う。ミュージカルにして、ちょっとわかりにくいシチュエーションである。

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今回、友人が取ってくれた席はなんと最前列のど真ん中!手の届くところに紀香さまが歌ったり、踊ったりと、そりゃたっぷりと堪能しました。それにしてもバツグンの肢体は、映画のミッツィー・ゲイナーを凌ぐほど。それに歌も、ずいぶんお上手になっていて、びっくりしました。2011.3.17に見た「マルグリット」では、残念なことに、不発でしたが、今回はサイコーのネリーでした。

相手役の別所哲也も、実に渋みがあって、歌も立派なバリトンで、申し分なし。ほぼオリジナルのナンバーを網羅しておりました。日本語で歌われることには、いささか違和感がありましたが、慣れてしまえば、特段のことはなし。

今回歌われたナンバーは、以下の通り。

ディ・トゥ・モア Dites-moi

底抜けの楽天家 Cockeyed Optimist

二人の独白 - 魅惑の宵 Twin Soliloquies - Some Enchanted Evening

女ほど素敵なものはない Bloody Mary

バリ・ハイ Bali Hi

あの人を洗い流そう I'm Gonna Wash Away That Man Right Outa My Hair

すてきな人に恋してる I'm in Love with a Wonderful Guy

春よりも若く Younger than Springtime

ハッピー・トーク Happy Talk

ハニー・バン Honey Bun

教えられて Carefully Taught

そばにいたのに This Nearly Was Mine

以上、12曲。結局、カットされたのはMy Girl Back Homeの1曲のみ。

今日が楽日だったこともあり、カーテンコールの最後に、紀香さんがご挨拶、そして、最前列に並んだキャストが一人ずつ順に一言ずつのご挨拶。子役も含まれていましたが、なぜかリアット役だけには紀香さんが振らなかったのは謎でした。

とにかく期待を大きく上回る舞台で、大満足!

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