161120 原題も:THE GIRL ON THE TRAIN 113分 米 監督:テイト・テイラー(「ヘルプ 〜心がつなぐストーリー〜 2011この時は脚本も)
上のチラシも洒落ていているが、内容もなかなかオシャレで、監督のセンスの良さを感じる。
離婚して、依然心の傷の癒えない女レイチェル(エミリー・ブラント)が、毎朝、ニューヨークへの通勤電車から見える情景から、ある種妄想が膨らみ、不可解な行動に出て、やがて悲惨な事件に巻き込まれていく、上質のスリラー。
彼女、寂しさを紛らわすためもあったのだろうが、不覚にも気づいてみれば、アル中に。目撃証言も、警察では相手にしてもらえない辛さも味わうことに。
レイチェルの元夫トムとの間に赤ん坊まで設け、幸せそうなアナ(レベッカ・ファーガソン)だが、実はとんでもない野郎だと気付き始めるのだった。
ポーラ・ホーキンズの原作だが、もともとかなりヒッチコック的な要素、少なからず。したがって、「めまい」や「サイコ」を思わせるような場面も登場。画面作りは丁寧だし、カメラワークもなかなか。
エミリー・ブラント、渾身の演技が光る。この作品では不妊女を演じるが、偶然にもクランクインの時には、実生活では妊娠していたとか。監督始め一切それを明かさなかったが、クランクアップが近づき、シャワーを浴びるシーンで、ついに監督が感づいたという裏話が。監督から嫌味の一つも言われたろうが、そこまできちゃったら、もうどうにもならない。
#86 画像はIMdbから