ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

「スプリット」

170614 原題もSPLIT(分裂)2016 米 117分 製作・脚本・監督:ナイト・シャマラン('99「シックス・センス」、'00「アンブレイカブル」など)

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性格異常者(この場合は多重人格者)による人質誘拐・監禁を扱ったホラー映画。主人公ケビン(ジェームス・マカヴォイ)は、何せ23人、それも9歳児⬇︎から女性までの異なる人格を持つとされているから忙しいし、こんがらがる。

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自分の中で異なる人格同士の確執があったり、24人目となる”ビースト”まで目指している。幼少時、幼児虐待の経験あり。

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捕まる側は、パーティー帰りの女子高生3人、リーダー格のケイシーだけ幼少時、叔父から虐待の経験を持つところが犯人との共通点。これが結末の伏線になっている。

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ケビンは、正常な時に、フレッチャーという精神科の医師の診察を受けている。フレッチャーも多重人格に大きな関心を抱き、ずーっと彼をフォローし続けることが命取りTなる。

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銃片手に必死に逃げるケイシー、幼い時に父親に教わっていた銃の知識が役立つ。

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”ビースト”を手に入れた時は、ほとんど”超人ハルク”状態に変化、筋肉は盛り上がるし、血管は浮き上がり、壁や天井を這うという信じられない技を繰り出す。⬆︎はケーシーが逃げ込んだ檻をこじ開けようとするケビンだが、自分と同じ虐待経験を持つと知って、やり過ごすシーン。全体にジェームス・マカヴォイの怪演が見ものだ。

事件解決後、レストランで客がテレビニュースを見ているシーンに。そこである客が「以前、似たような事件があったよね?確か、あの時も犯人は妙な名前で呼ばれていたけど、だんだっけ?」と周囲に聞くと、近くの男が「ミスター・グラスだろ」と応じる。これがナイト・シャマランの「アンブレイカブル」に出てたブルース・ウィリス。ご丁寧にも胸にはその時の役名、Dunnの名前の縫い取りが。つまり本作は「アンブレイカブル」と同じ世界の中の話だったというわけか。

この種の人質監禁ものは、古くはテレンス・スタンプ主演の「コレクター」(The Collector '65)、同じくモーガン・フリーマンの「コレクター」(Kiss the Girls '97)、ハル・ベリー主演の「ザ・コール」(The Call '12), 最近では、邦画だが香川照之の「クリーピー 偽りの隣人」やブリー・ラーソンの「ルーム」(Room '15)など、見ているものだけでも、これだけある。それだけに、よほどの独自性を出さないと展開がほとんど読めてしまう。

#35 画像はIMDb、およびALLCINEMA on lineから