ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

またも蝶々夫人、今度はサンパール荒川で。

170813 まさか二日続けて蝶々夫人を聞くことになろうとは。

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こちらは、演奏会形式ではなく、本格的な上演。まあやはり、衣装もつける、演技も入る、舞台のセッティングもあるということになれば、それはどうしても見栄えは違ってくるのは仕方がない。こちらも、オケと合唱はアマチュア。なかなか頑張って、立派な演奏だった。

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ただ、残念なことにこのホール、最近、客席など、改装されてすっかりきれいにはなったのだが、オペラ本公演の場合、反響版の問題なのか、音響がイマイチ!ソリストが少し気の毒な気がした。

そんな中でもタイトルロールを演じた西本真子が素晴らしかった。彼女の蝶々夫人は4,5年前にも一度聞いていて、当時から相当うまかったし、その後、シンガポール、マニラや中国の地方都市でも歌っているから、この役はかなり年季が入っていて、安心して聞いていられた。

演技も堂々としていて、蝶々さんの健気さが前面に出ていて、最後の場面は、どうしても泣けて仕方なかった。すっかり感情移入させられていた。

杣友恵子のスズキも良かった。とりわけ、演技、細かい所作振る舞いが泣かせるのだ。永井和子や鳥木弥生、小林由佳に優るとも劣らぬ演唱はモルト・ブラーヴァ!

美術はなかなか凝っていて、小さいながらも、すっきりした丘の上にある家の趣をうまく表していたように思う。

子役がまたかわゆいのだ。あのような小さくてキャシャな子供をよく探してきたもの。Tu, Tu, Tu!の場面は、今まさに自刃しようとする蝶々さんめがけて子供が走りこんでくるような演出が多いように思うが、この舞台では、スズキに手を引かれて、ゆっくりと庭に出てくる。それに気づいた蝶々さん、庭に降りて子供を抱きしめ、Va! Gioca!となり、改めて自室に戻って・・・チャチャチャンチャン・チャー、ドン これはうまい演出だと思った。

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#44 文中敬称略