170825
先日ある音楽会の幕間でばったりお会いしたソプラノの三宅理恵からたまたま入手した演奏会情報。ご本人の演奏会にはこの1年、まった行っていないこともあり、行くことを即決。
音楽監督から出演者のほぼ全員を存じ上げており、楽しみに春日まで出かけた。162席はほぼ満席。ただし、客席の9割が高齢の女性、1割が男性や子供。これはちょっと意外だ。浅草オペラの影響かしらん。
有名な楽曲は、例の「恋はやぁさし〜♩野辺のはぁなよ〜♪」だけだが、展開のテンポがよく、無駄がなく、要所要所に綺麗な楽曲が入り、誰にでも分かりやすいのがこれだけ人気が出ている最大の理由だろう。全て日本語なのだが、終幕に近いところで、1曲だけイタリア語での二重唱が入る。もちろん字幕も説明もなし。
タイトルロールの押川浩士は、高音が楽に出るいわゆるハイ・バリトンというジャンルかも。ひときわ存在感があった。他の出演者も全員慣れたもので、しっかりした歌唱と演技で、大いに楽しませてもらった。
フランツ・フォン・スッペの原曲はもっと長いらしいが、それをうまく料理した角岳史の訳詞/台本が光る。舞台美術・装置もこの規模の公演にしては、かなり本確定であった。
ウィキで調べたら、ジョヴァンニ・ボッカッチョ(1313-1371)は、ダンテ・アリギエーリより50歳年下らしいがもっとも早いダンテの理解者・信奉者となり、単に戯曲(Commedia)であった作品にDivinaを付けて、Divina Commedia(神曲)として功績は小さくない。
ボッカッチョを演じたバリトン 押川浩士と、フィアンメッタ役、ソプラノ三宅理恵
相変わらずチャーミングな姿と美声の三宅理恵、本役もまさにぴったし!
#48 (文中敬称略)