171125 毎年、春と秋に開催されているシリーズ。過去何度か聴きに行っている。安く良質なクラシックを聞ける貴重な機会で、毎回楽しみにしている。芸劇は遠いので敬遠、行くのはもっぱらミューザ川崎。
というわけで、今回選んだのは上野学園大学と昭和音楽大学の組み合わせ。割に早めにチケット手配していたから、かなりいい席だった。
演奏前に両校が相互にエールの交換という形で、金管によるファンファーレの演奏がある。作曲はもちろんそれぞれの大学の作曲科の学生。上野学園大学のファンファーレは、シンバルが加わるという、一風変わったもの。
期待にたがわずどちらも素晴らしい演奏を聴かせてくれた。やはり若い人たちの演奏はワクワクする。プロの楽団とはまた違った味わいで、実に溌剌、勢いがあって素晴らしい。
それにしても、男女比はどんどん開いて、男子は2割程度まで”衰退”。やがて女子だけの編成になるのでは?それはそれで、ちょっとした危機感も。ただ指揮科はどうやら圧倒的に男子主導のようで、この辺はちょっと不思議な気もする。
今日は両校とも、管楽器はほぼ9割が女子で、上野学園に至ってはついにというか、最後の砦と思われたチューバまで女子が吹くという有様。こんな重い楽器をよくぞ、という感じがする。尤も、昭和音大の方はマーラー1番ということで、2本のチューバを揃えるため、屈強な男子が軽々2本ぶら下げて入場してきた。
昭和音大のマラ1はとりわけ素晴らしく、終演と同時に大向こうからブラーヴォが盛んに飛び交った。この曲、一言で言えば、ラッパが咆哮しまくって終わる曲。なにせホルンの8管には恐れ入る。しかも全員女子!
それと作曲家自身による指定なのだろうが、佳境に入ると、クラリネットは全員楽器を上に向けて吹くし、ホルンも同様に楽器を水平にして演奏。さらに、第5楽章では、ホルンは全員立ち上がって吹くという見せ場も用意している。音質は変わらないのだが、サービス精神旺盛なことだ。
少々気になったのが、フルートとオーボエの4番手、つまり管の1列目の両端の奏者、まったく出番がないまま、1時間も経過した最終楽章、やっとそこでモソモソと準備が始まり、演奏開始。やれやれ出番がきて、なによりだ。弦の場合は、末席でも常に演奏するが管の場合はそうは行かない。
そう言えば、上野の方にはOBらしきプレイヤーが何人も見えたが、昭和は全員現役学生のように見えた。
マエストロも両者、対照的で、上野のマエストロ清水が極めてカチッと直線的に振るのに対し、昭和のマエストロ海老原は、くにゃくにゃと曲線を描くように振る、その違いがおかしかった。
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