180711 仏 117分 C'EST LA VIE (これが人生!つまり「しゃーない!」)監督:エリック・トレダノ、オリヴィエ・ナカシュ(「最強の二人」、「サンバ」)
婚礼披露宴などのプロデューサー、マックス(ジャン=ピエール・バークリ、老けたねぇ)、引退の潮時を図っていて、最後の宴会をパリ近郊のシャトーで開催することに。ところが、予期せぬ不手際や珍事の連続で、もうめちゃくちゃ。それでも、転んでもただでは起きない。まあまあ朝がしらじらと明けるころには、メデタシメデタシとそれぞれが城を後にしていく。
集めたスタッフは彼の息のかかった連中ばかりで、気心が知れているはずなのだが、この日に限って、何から何までうまくいかない。手違いの連続で来るはずの料飲のスタッフが来ずに、代わりと称する男はまるで役立たず。
プロのカメラマン、最近はどいつもこいつもスマホで彼のよこでパシャパシャやるから、すっかり戦意喪失。撮影そっちのけで、オードブルばっかり食べる始末で、新郎から嫌味を言われるマックス。
右腕ともいうべき黒人女性のアデル(アイ・アイダラ)は、バンドマスター、ジェームス(ジル・ルルーシュ、歌、上手い!)と大口論(の挙句、最後は仲良くなっちゃうが)、客の中には懐メロの演奏を要求する連中が少なからず、「パタシューを是非!」と言われてもジェームスには何のことやら。適当に答えてお茶を濁すしかない。
17世紀のシャトーだし、当然ながら、最新式の電気設備など備えていない。突然停電になるわ、誰かが食材の入っている冷蔵庫の電源を抜いたとかで、予定していたメニューが出せなくなる。とりあえず、「塩を振ったパイを出せ!」と怒号するマックス。「喉が乾くから、どんどん炭酸水を飲ませろ、それで時間稼ぎだ」
極め付けは、新郎が気球に吊り下がって、新婦に上空から愛のメッセージ。下で綱を操ってた連中がうっかり離したもんだから、勝手な方向に飛んで行ってしまい・・・。
こんなドタバタだが、フランス人がやると、一味違った形になり、愚亭はかなり面白く見たし、エスプリの利いたやりとりもおかしく、一人でゲラゲラ。フランス式の喜劇だから、面白く観るには、ある程度、フランス、フランス人、フランス語、etc.の知識・情報があった方がいい。多分、上映期間は短いだろう。
ついでながら、撮影に使われたシャトーはフォンテーヌブロー至近にあるChâteau de Courances(クーロンス城)⬇︎ヴェルサイユ宮殿より先に建造されている。1630年頃。
それにしても、フランス人が議論好きで、何を言われても凹まないし、気の利いた言い回しで反駁する国民性であることが、よく分かる作品。日本人の感性ではあり得ない会話がたっぷり。
#55 画像はIMDbから。