ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

音大フェス@ミューザ川崎

181201 毎年、初冬・晩春2回行われる音楽大学フェスティヴァル。音大在籍中のセミ・プロたちによる演奏を格安の値段で、聴かせてもらえるわけで、毎回楽しみにしている。

f:id:grappatei:20181203115504j:plain

f:id:grappatei:20181203083411j:plain

f:id:grappatei:20181203083429j:plain

この日だけは3校が出演、従って、3時開演で終演は6時半という長丁場。3校目の開演前で帰ってしまう聴衆も少なくなかった。演奏時間が計3時間半が想定外だったのは、自分も同様で、この後、田端での合唱練習に行く予定だったが、移動時間を考慮して、断念。コーラスフレンズの、「ワインでも一杯?」という甘言に釣られてしまって、気がつけば午前様という体たらく。

さて、まずは昭和音大斎藤一郎という若手マエストロだが、登場するや人目を引いたのは、長身イケメンぶり。日本人では、なかなかいないタイプだ。振り方も、風貌同様、かっこよく、胸をときめかせる女性プレイヤーもいるんじゃないかと、勝手に音楽と関係ないことを思ったりして聞いていた。

シエラザードは楽章の節目節目で哀調を帯びた旋律を首席が奏でるのが特徴的だが、全体にオリエンタル調で、いささか眠気を誘われるのは、想定内。ほんの一瞬だが、案の定、こっくりが出てしまった。それにしても、首席ヴィアオリニスの可愛いこと!ここは、弦の響き、管のまとまり、いずれも抜群。

次は国立。OBなのか指導者なのか、結構年配者が目立つ。冒頭、低く始まるクラリネットは2番が吹いたが、無難にこなした。トップも2番もそろって美形で、目を引く。第2楽章のホルンが吹く長いパッセージ、ほんの僅かに不安定箇所があったが、見事に吹き終わり、聴く方もホッとした。これも2番が吹くことになっているようだ。さすが現田茂夫、余裕の演奏でした。

アンカーは洗足学園、今や巨匠の域の秋山和慶、風貌そのものの端正な演奏!各楽器の演奏技術はここが一番かも。今日は計20人以上のコンバス奏者が登場しているが、初めてフランス式運弓の女性奏者を発見。いるにはいるが、圧倒的に少ない。ベラ・バルトークの音楽は、あまり好きになれない。

各大学の演奏前に、エール交換の意味で、別の大学の金管奏者が登場してファンファーレを演奏するのが、このシリーズの伝統的行事。新進の作曲科の学生の手になるものだが、どこも実にお上手。下手側からホルン3〜4本、トランペット3本、トロンボーン3本、チューバという構成。2番手に登場した洗足学園だけ楽譜持参だったが、作曲完成が遅れたのかも知れない。

#71