181218
やっと予約した日になって、いそいそと会場の上野へ。
フェルメールの作品、言われているように現存するのが35点ということだが、そのうち9点が現在日本にあるというのは、信じられないほどの僥倖である。自分は、多分26点は見ていると思うが、今回来ている作品には数点、お初にお目にかかるものがあるので、大いに楽しみにしていた。
5時という時間帯、ほぼ主婦は消えているし、サラリーマンたちが来るには少し早いという、絶妙のタイミングで、ゆったりと鑑賞できて、ほぼ目論見通り。フェルメールの9点を含めて、全部で50点に満たない作品数だから、じっくり鑑賞してちょうど1時間を要した。
今回注目したのは「赤い帽子の女」(ワシントン・ナショナル・ギャラリー)で、23cmX18cmと、小品の多いフェルメール作品の中でもひときわ小さく、ルーブル本館にある「レースを編む女」(24X21)より小さく、これが最小サイズ作品ということになる。尤も、この作品、完全にフェルメールの真作と国際評価が定まったわけではないとも聞いている。
概して、彼の大きな作品にはあまり食指が動かない。今回の作品の中では「取り持ち女」や、「マルタとマリアの家のキリスト」など、他の作品と比べると、どうも見劣りがしてしまう。初期の作品だからということもあるのかも知れないが。(どちらも1650年代の作品)そう言えば、真贋がはっきりしないが国立西洋美術館所蔵の「聖プラクセディス」(102X83)にも言えそうだ。
今回、フェルメール9点を含め全部で49点が展示されていて、彼の同時代のオランダの画家の作品から選りすぐりのものを集めていて、大いに見ごたえがありだけでなく、フェルメールの作品によく似た作品が数多く見られるのも興味ふかい。とりわけハブリエル・メツー、ヤン・ステーン、ピーター・デ・ホーホの作品には圧倒された。
詳細→上野の森美術館HP
この解説書は実によくできていて感心させられた。
@¥2,500は高いと思ったが、他にも音声ガイドを貸してくれるし、予約制であることを考えれば、案外妥当なのかも知れない。