ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

三宅理恵リサイタル@紀尾井ホール

190222

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ここには載っていないが、シャミナードの曲の伴奏にのみフルートが登場する。

初めて彼女の美声を聞いたのはめぐろパーシモンホールでの「これがオペラだ!」シリーズでの「メリー・ウィドウ」だったから、もうかれこれ10年以上に亘って何度も聴かせてもらってる。ほんとにうっとりするほどの美声で、一度聴いたら忘れらない。

今日の演目、リサイタルにありがちな、普段あまり聞くことのないような歌を並べてある。耳馴染みのある曲はアンコールのロミジュリからのアリア1曲のみ。入りは、軽やかなアジリタが続くパーセルの演目から。挨拶がわりという感じだ。

彼女なりの計算があったと思うが、今回は英語の歌を多くした構成になっている。ほとんどが初めて聴く曲ばかりで、とりわけ日本人作曲家、藤倉 大の作品はまさに現代音楽であり、歌う側はかなりのテクニックを求められ、大変だったと思う。

それと同じ歌詞でありながら、3人の作曲家による作品は、興味深く聴いた。シャミナードの「肖像」(歌のワルツ)のみ、伴奏にフルートが加わった。これが実に華やかな味わいをもたらしていて効果満点。奏者、永井由比にもブラーヴォだ。

ピアノの川島 基、すこぶる安定した弾きっぷりで、三宅理恵も安心して身を委ねている風に見えた。ただ、かなりシャイな性格なのか、終演後、三宅に促されてやっと彼女の方へ手を差し伸べる仕草で、なんだか微笑ましかった。

#10 文中敬称略