ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

「ちょっと気軽にこんさあと」@入間市

190608 首都圏にある会場で、自宅から片道2時間以上かけて聞きに行くのは、多分今回が初めて。

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オペラ界では人気者同士のドゥオ・コンで、しかも一人は、うちの合唱団の指導者であれば、遠距離もなんのそのということに。

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工藤は、昨年7月、大田区アプリコ大ホールでの「椿姫」のタイトルロールを演じ、愚亭は合唱で、同じ舞台に乗ると言う僥倖に恵まれ、以来、何度か見に聴きに行っている人気ソプラノ。なんでもこなせるオールラウンダーと言っていい。

猪村は大田区第九合唱団の指導者の一人として普段から懇意にさせてもらっているテノール。略歴にあるように、声質から言っても、オペラセーリアよりも、軽めのオペラかオペレッタ、ないしミュージカルなどが得意の分野だ。

三平(みひら)は今回初めて聞いたが、ブラーヴァだ。華麗な音質と指さばきに完全に魅了された。特に「ウェストサイド・ストーリー」、「ニュー・シネマパラダイス」のメドレーの美しかったこと。作曲が専門だが、ピアニストとしても一流であることは間違いない。

今日の演目は、来場客の客層に合わせるために結構苦労の跡が垣間見える。客席を見渡しても、オペラなど、見に行ったことのある人はほとんどいないような雰囲気だったから、まずまず無難な構成と言えよう。

ちなみに「世界のメドレー」として、前述の「ニュー・シネマパラダイス」(ピアノ)、慕情(猪村)、「マイ・ウェイ」(工藤)、「オー・ソレ・ミオ」(二人)、そしてアンコールとして「メリー・ウィドウ」から「唇は語らねど」で、ジ・エンド!

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入間川方向から見た会場

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入間川と言ってもこの辺は、小川の風情。

さて、この会場だが、入間川のほとりにあり、恵まれた自然環境がすばらしく、それを背景にした舞台は都心のホールではあり得ない素晴らしさだった。それだけでもはるばる来た甲斐があったというもの。

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愚亭が入場した時点(開演10分前)で、すでにこの盛況。

人気者同士のコンサートだから、遠方でも多少知った顔があるかとおもいきや、ゼロ!天井が高く、吊り下げた扇風機がゆっくり回り、独特の雰囲気。椅子が上等のものではないが、ゆったりくつろげるもので、好評。

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約2時間、たっぷり楽しませてもらった。聴衆も二人の名調子に加えて、軽妙なトーク、自然なふるまいにうまく乗せられて、みなさん、上機嫌で帰ったようだ。普段であれば、終演後、ファンが出演者に群がり、持参した土産物を渡したり、話しかけたり、撮影したりと、なかなか当方に番がまわってこないことが多いのだ、そうした光景は今回に限りあまり見られなかった、ということは、とりもなおさず、地元客がほとんだったということだろう。

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ぜいたくに三人を独り占めしていい写真をものした。

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来年4月に第2弾があるらしい。

#32 文中敬称略