ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

大田フィル定期演奏会@アプリコ大ホール

190622

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知り合いが団長をしている関係で、早くから予定していたコンサート。このオケは地元であるから、もちろん過去なんども聞いているのだが、ハーピストのKさんが実は団長と知ったのは最近のこと。彼女の勇姿(?)を見ようと、早めに会場入りしてハープの見えやすい位置に陣取ったつもりだったが、演奏が始まると第1ヴァイオリンが手前にいて、楽器しか見えず、残念至極!

尤も出番があったのは「ラロのスペイン交響曲」のほんの僅かなパートだったとか。次回は、ハープの出番が多い演目が選ばれることを期待したい。

ソロイスト、對馬佳祐の弾くラロは素晴らしかった!聞いたことのない名前だったが、こういう才能溢れる若手がいくらでもいるのだ。まだ場数はそれほど多く踏んだわけではないだろうから、下手から登場する際も、緊張した面持ちで、わずかにおずおずと見えたが、弾き始めたら、そんなことはお構いなく、堂々たる弾きっぷりだった。

久しぶりに聞いた名曲だが、確かに、改めて聞くと、スペイン風の光が随所に溢れるような曲であることがよくわかる。北仏リールの出身だが、エドゥアール・ラロは名前からして、フランス・スペイン両方を示しているのは、祖父がバスク地方出身だからだろう。

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エストロ河原哲也はごらんのような童顔(実年齢も若いが)で、愛嬌たっぷり。

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後半のジュピターが始まると、さっき弾き終わったソリスト、對馬佳祐が

あとで聞いたら、本人の希望で、居残り演奏をしたようだ。「ジュピター」だからそうしたのか、判然としないが、この辺がいかにも現代風で面白い。

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珍しくソリストが出口近くにいるのを見つけて、さっそく1枚。

サービス精神旺盛で、終演後はわざわざロビーにまで出てきて、ファンと交歓する光景が。彼の弾いたアンコールの2曲、1曲目はフランシスコ・タレーガの「アルハンブラの思い出」(Recuerdos de la Alhambra)の変奏曲というのは分かったが、ルッジェーロ・リッチ編曲のもの。超速運弓に加え、ピッツィカートがふんだんに盛り込まれるから難曲だろうが、いともあっさりと弾きこなしていた。

さらに2曲目。これも2分を切る小品だが、こちらは聴いたことがなかった。ヴィニアフスキーのエチュードからカプリス。これも劣らず、こ難しそうな1曲!

後半は誰もが知っているモーツァルトの「ジュピター」。各パートともよく鳴っていたし、メリハリのよく利いた素晴らしい演奏で、大喝采。アンコールは静かにアヴェ・ヴェルム・コルプスでしめた。 

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終演後、楽屋へ直行、すでに着替えてしまった団長のKさんと。

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蒲田駅西口広場

#35 文中敬称略