190705
このところ抽選運が強いらしく、今回のブロガー内覧会にもお招きいただけた。
マイセンの洗礼を浴びたのは大昔マイセンへ行く機会があったからだ。まだ東独時代の話。いかに優れた焼き物かは、ガイドの力説を待つまでもなく一定の予備知識はもっていたものの、工房での作業風景なども見せてもらい、そのすごさは想像以上だった。その場で販売もしているので、適当なものを物色したが、市価と同じと聞かされ、かなりがっかりした覚えがある。でも、せっかく来たのでかなり小さなお皿を一枚買い求めた。
今回の展覧会は彫像作品、いわゆるフィギュアもの、それも動物をモチーフにしたものに限定した、かなり珍しい展覧会である。陶磁器ファンでなくても必見の展覧会。パナソニック美術館で9月23日まで。詳細→同美術館ホームページ
上のパンフレットにある猿の楽団は詳細に見ると・・・
スノーボールてんこ盛りだが、これについては、こんな説明がある。
18世紀に生まれたロココの華、スノーボールと呼ばれる貼花装飾(手作業で作られる花や葉の磁器装飾)。コレクターが非常に多いマイセン装飾作品の一つ。ブルーオニオンの次に有名なマイセンのシリーズで、ガマズミの白い花衣装をまとっている。花弁の一つ一つが型と手のひらを使って作られており、焼成前の磁器の表面に丁寧に貼り付けている。表面をおおうガマズミの小花が、見るものに強いインパクトを与える。ガマズミは、小花が紫陽花に似た手まり状の房をつくるスイカズラ科ガマズミ属の低木のこと。
丁寧に解説いただいたのは担当学芸員の岩井美恵子さん。彼女から、この先からは個人所蔵のものとなるため、撮影は禁止だが、内覧会に限り、一点撮りでなければ、つまり周囲も含めての撮影ならばOKとのお達し。こういう特典はかなり嬉しい!
第3章はいよいよ動物が主役。ここからは1点撮りは禁止です。周囲も映しこむようにと注意が。
最後に展示されていた作品。顔を捻った姿といい、可愛い爪の出ている手足、鼻の先端の輝きなど、見事に捉えていて、掉尾を飾るにふさわしい作品。
上の年表で、いかにして世界に冠たる磁器、マイセンがこの世に誕生し、紆余曲折を経て、今の地位を築いたかよく分かる。
なお、マイセンの刻印だが、学芸員に確認したところ、すべてフィギュアものにも必ずどこかに見られるものであるそうだ。
常設のジョルジュ・ルオーの特別展も少し覗いてみた。
実物と比較するとこの複製画がいかにすぐれたものかよく分かる。原画の表面の凹凸まで再現されているような錯覚を受ける。
会期は9月23日まで。
なお、掲示した写真は一部を除き、主催者から特別な許可をいただいて撮影したものです。