190901
今回も両組に聴きたい歌手がいるため、迷ったが、2日目の公演にした。
これは新宿区民オペラが主催して、オケと合唱団はこの名前が付いたアマチュアである。先日「仮面舞踏会」を聞いた荒川区民オペラ同様、実に立派な公演であり、しかも入場料が廉価であることがオペラファンにはたまらない魅力である。
タイトルロールの福田祥子は初めて聞かせてもらった。実に堂々たるトゥーランドット姫を演じられた。見栄えもよければ声もまことに立派で言うことなし。ただ、この役、実は割に損な役回りとも言える。2幕3幕で高音域をたっぷりと歌う割には、単独で演奏されるようなアリアがないのだ。
そこへ行くと、奴隷女リューは対照的に得な役回り。1幕と3幕に実に美しい、プッチーニらしいアリアが用意されている。今日は、応援している西本真子が情感込めてたっぷりと響かせてくれて大々満足!
カラフの安東英市も初めて聴くことになったが、評判はあちこちで聞いていた。評判通り、ダイナミックにカラフを歌っていたが、肝心のネスドル、舞台のやや下がった位置で歌ったため、声がよく届かず、幾分不発感は否めない。この劇場、もう少し響がよかったはずなのだが、今日はかなり前方で歌わないと、オケに負けてよく通らない場面がしばしば。なぜこういうことになっているんだろう。先日聞いたサンパール荒川の方がはるかに響いていたような気がする。
ピン・ポン・パンも結構頑張っていて、楽しめた。更に、オケの響きがすばらしかったこと、それと合唱団、歌も演技も区民レベルでそこまでやるか、という感じで、大ブラーヴィであった。
#58 文中敬称略