200110
彼女が五島記念記念文化賞オペラ新人賞をとってヴェローナに留学したのは、5年も前のことなのだ、とひとり感慨に浸った。
彼女の衝撃的な歌唱に初めて接した演目が忘れもしない、今日、最後に歌った「ルチア狂乱の場」からの「香炉は燻り」だった。2011年6月29日、東京文化会館小ホールでの「二期会新進声楽家の夕べ」(⬅️クリック)に、他の新人たちと登場していた。
あれから8年半、主にイタリアでしっかり研鑽を積んで、ものの見事に開花したと言える。天性の美声にしっかりと磨きをかけ、あらゆる音域を自在に操り、表現力も豊かな歌唱はすでに国際級で、いずれ海外のメジャーなオペラハウスにその姿が見られるのも遠くはないような気がする。
後半は「ルチア」のシェーナ。ベテランのお二人との競演がすばらしかった。本格的な衣装をまとい、振りも照明も本公演並みに加え、華麗な服部容子の伴奏で、こころゆくまで堪能できた。
ちなみに五島記念文化賞オペラ新人賞獲得した人たちが裏表紙に掲載されていて、「ああ、あの人も、この人も!」と改めて確認した次第。
#2 文中敬称略