ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

「ジャンニ・スキッキ」 オーケストラ「☆の王子様」第49回定期演奏会

200111

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このマンガチックな表紙デザインも愉快!

facebookでこの公演のことを知って、急遽荻窪へ。キャスティングがまた豪華なこと!

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演奏会形式だが、衣装も振りもたっぷり。演出家の記載がないが、自らも重要な役で出演している、ミャゴラトーリの大澤恒夫が担当。また冴えてた字幕も彼の手になるもの。ついでながら、前半の「ロミオとジュリエット」にも演奏だけでなく、寸劇として二人(澤崎一了宮地江奈)が登場、奥のP席には舞台回し役の形で帽子をかぶった少年(森 真奈美)として登場させていて、なかなか面白い趣向と思った。

さて、ジャンニだが、これは毎回、かならず笑わせてもらっているが、今日も、終始ゲラゲラと笑っていて、演出の妙に感じ入った次第。杉並公会堂大ホールの舞台の構造を巧みに利用して、舞台手前、オケの奥、一段高くなったスペース、さらにその上のP席と近景・中景・遠景と使い分け(まあ、よくある手法としても)見応えたっぷりだった。

開幕と同時に、オケの団員に混じって、まずツィータ(巌淵真理)とチェスカ(藤長静佳)が悲しみを堪える表情で第1ヴァイオリンの手前に置かれた座ると、しばらくしてブオーゾ(実はマエストロ柴田真郁)の死体をマットレスにくるんで、男性陣が舞台中央まで重そうに運び、そこに寝かせたまま放置。続いてコンミスが白い百合の花を一輪持って出てくると、ツィータやチェスカが耐えきれずに嗚咽。

ふと見ると死体がモゾモゾ。観客席の方を盗み見る姿でむっくり起き上がり、頭に被せられた三角巾をやにわに投げ捨て、白装束のまま指揮台へ。かくして、開演となる演出は結構笑わせてくれた。

出演者は芸達者揃いだから、なんの違和感もないまま、ひたすら楽しんだ。澤崎一了の「フィレンツェは花咲く木のように」、そして一番の聴かせどころ、宮地江奈の「私のお父さん」で盛り上げ、そこからの展開が実に面白いのだ。

満を持して登場するジャンニ役の谷 友博がさすがの歌唱と演技!上品なマフィアという感じの演技であり、歌唱であった。この人、下の声があんな響くとは、改めて感心。

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澤崎一了は完全にカメラ目線!

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左端、ブオーゾ役のマエストロ。右から三戸大久、千葉裕一、安東玄人、岸本大

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チャーミングな宮地江奈。どこか初々しい!

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シモーネを演じながら、全体の振り付けも担当した大澤恒夫と

#3 文中敬称略