201117 CORIOLANUS 2012 英 監督:レイフ・ファインズ
映画の中ではコリオレイヌスと発音しているが、ラテン語の原題はコリオラーヌスだろう。ちなみにイタリア語では、コリオラーノ。ベートーベンが作曲したのは序曲「コリオラン」。古代ローマ(紀元前550年頃)の将軍。
シェイクピアの戯曲を現代に置き換えた、自身シェイクスピア俳優で、舞台でこれを演じたことのあるレイフ・ファインズの初監督作品。そして自ら主役を演じている。撮影はセルビアで行われたらしいが、内容は古代ローマであるから、当然しっくりこない場面が出てくるが、なかなか意欲的な試みだ。
それにしても、うなく現代化したものだ。台詞回しは戯曲のままのようだ。(原作は読んだことがないし、舞台も見たことがないから論評資格なし)
さすがシェイクピア俳優ならではの格調高いリズムを刻むセリフ回しには感嘆あるのみ。さらに、これまた舞台俳優でもあるヴァネッサ・レッドグレイブ(83)の存在感は、ファインズに勝るとも劣らない。180cmの長身であることも加わって実に堂々たる雰囲気。コリオランの妻役にはジェシカ・チャステイン。出番は多くないが、本作で注目され、後「ゼロ・ダーク・サーティー」の主役に抜擢されたそうだ。
宿敵オーフィディウス(ジェラルド・バトラー)とその取り巻きらによって、ラストシーンで切り刻まれるが、さながらブルータスに刺し殺されるシーザーを見るがごとし。
それにしても、この邦題、どうにかならなかったものか。