210303 原作:かわぐちかいじ 監督:若松節朗 134分 2019
普段、ハリウッド製のCG大作ばかり見ているので、たまにこうした国産のCG近未来作品を見るのが新鮮に映る。原作のことはまったく知らないで見たが、だれることなく134分を見終えたのは、脚本のセンスが悪くなかったのだろう。
昨今の尖閣周辺の事態を知れば、ものすごくリアリティーを感じながら引き込まれる。原作とは少し相手国を変えて仮想の東亜連邦という国名にしているが、まあそれがどこを意図しているからは明々白々。
ただし、相当センシティブな内容だから、かなり細かい点にまで政府に忖度していることは十分伺える。しきりに専守防衛に徹すること、相手が撃つ前には絶対に撃つな、どちらにも死人は出すな、云々。それがどれだけ大変なことかが窺い知れる点では成功しているだろう。
メディアの人間が乗船している最中に不足の事態に陥り、戦闘シーンをこっそり撮影したばかりか、映像を艦長の許可を得ることなく社に送信、それが全国に流れて大騒ぎになったりするのはあまりにリアリティーがないし、コンビニの話(店長には中井貴一)など、本筋とはかけ離れた部分は削除した方がよかった。