210305 DIE AKTE GENERAL(一般ファイル)2015 ドイツ、93分、監督:シュテファン・ヴァグナー 主演:ウルリッヒ・ヌーテン、デヴィッド・クロス(「愛を読む人」'08 ,「戦場の馬」'11)
実話を元にした作品。同じ2015年に作られた「アイヒマンを追え!ナチスがもっとも畏れた男」とほぼ同じストーリー。また、アイヒマン逮捕に焦点を当てた作品が「オペレーション・フィナーレ」(2018)で、いずれも見ている。
本作が「アイヒマンを追え」と違うのは時の政権、特にアデナウアーが登場したり、主役のバウアーが当時、まだ社会的に認知されていなかったゲイだった点にスポットを当てたりしていることか。
西独初の首相を14年も務めたコンラート・アデナウアーの腹心だったグロプケがナチスを擁護する危険人物だったことを問題視した検事バウアーは、政権から見れば厄介な存在。それでなくても1960年当時はナチス系の人物が多数西独の要職に就いており、ユダヤ系のフリッツ・バウアーの動きには警戒を怠らなかった。
そんな中、ナチス大物の一人アドルフ・アイヒマンがアルゼンチンに潜伏中であることの確証を得、その確保に向けいよいよ本丸に迫る。身柄確保後、イスラエル政府に任せるか西独で裁判を行うか、微妙な駆け引きで、事態が一時膠着状態。そんな中、有能な若手検事ヘルを助手として引っ張る。
期待通りの活躍を見せ、大いに満足げなバウアーだが、実はこのヘル、ある組織と関与していることが次第に判明し・・・・
劇中オペラ観劇の場面が2度、そのモーツァルトとプッチーニの明るい響きとは対照的にラストは暗い弦楽の響き、何かを暗示するように。