ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

「ホテル・ファデットへようこそ」

210418 BONNE POMME(良いりんご)仏・ベルギー合作、2017, 101分、脚本・監督:フロランス・カンタン(1946生、仏人女性、日本公開作品、ほぼゼロ)

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主役二人の横顔をシルエットにした洒落たデザイン。邦題はやすっぽい!

大御所二人の顔わせだから、作品のでき・ふできは関係なしに見ることに。しかし、作品としても悪くないのですよ。

なんたって無茶苦茶にお人好しの自動車工場経営者(ジェラール・デパルデュー)、と言っても婿どのだから、飲りたい放題の女房にはホトホト愛想を尽かして、どっか田舎に行ってのんびりしたいと思っていたら、格好の物件が。さっそく行ってみると、その場で旧経営者と交渉成立。すぐ近くの安宿に泊まることに。

ところが、この宿の女主人(カトリーヌ・ドヌーヴ)がとんでもない人物で、わがままで、他人の迷惑など一顧だにせず、やりたい放題。ところが、初めこそ面食らいながらも、どこか憎めない彼女に次第に好意を寄せてしまうんですねぇ、これが。どこまでお人好しなのかと見ていてハラハラするほど。妙にケミストリーが合うっていうんでしょうね、こういうのは。

騒動を繰り返した挙句に、二人はひょうんなことで・・・・。いかにもフランス式のコメディーで笑わせてもらいました。

登場する日本人観光客(新婚カップルらしい)がどうにもステレオタイプに描かれていたのがどうも、我々にはイマイチしっくりきません。それに、この安直な邦題はどうでしょうか。他にもいくつかありましたね、「マリゴールド・ホテルにようこそ!」とか。

今年78になるドヌーヴさん、本作撮影時は74ですが、まあ体型には触れませんが、相変わらずの目ヂカラのすごさには参りますねぇ。ドゥパルデューとは「幸せの雨傘」(2010)以来の共演。二人とも、まさに現在のフランス映画界を代表する大御所であることには誰も異存のないところでしょう。

画像はIMDbから拝借しました。