210429 CAPITANI 1シーズン、12話、ルクセンブルク
ルクセンブルクの映画って、多分これが初めて。それと、カピタニといういかにもイタリアっぽいタイトルに惹かれたのですが、これは主役刑事の姓で、ただ単にイタリア系というだけのことでしょう。
ルクセンブルク大公国は独仏ベルギーに囲まれたいわゆるミニ国家で、その昔、車でベネルックスを回り首都に1泊したことがあります。起伏の多い自然に囲まれたいかにも地方都市の風情で、本作はさらに北部の小さな村で起きたとされる事件を扱っています。
双子ティーンエイジャー女子の一人の遺体が山中で発見され、小さな村だけに大騒ぎとなります。そこへカピタニと称するよそもの刑事が休暇で来ていて、いきなり担当にされてしまいます。これがまた着古したよれよれのTシャツにジーパン、無精髭にボサボサ髪の見るからに冴えない男なんです。でも、一応警部ですから、熱心に事件解決を目指します。助手になるのが地元警察のエルザ。(これがなかなかの美貌であります)
でも、よそ者には村中が口が固く、聞き取りに苦労しまくります。物語は1話が30分という異例の短さでサクサクと見られるのが助かります。だいたい1日1話というような感じで進行していきます。
双子ゆえにかなり話が混乱し、常に「あれ、こっちが・・・どっち?」てな具合で、最後まではてなマーク続きで、これは作者が意図的に仕組んでいるのでしょう。実の父親が、また結構怪しいタイプです。なかなかのやり手で村の顔役であり、事実途中で市長(村長?)に選出されたり、この辺の流れはいまいちよく分かりません。なんと乱行パーティーの仕掛け人でもあるのです。呆れた人物です。
双子の姉妹には他に首吊り自殺してしまう義理の父親がいたり、覚醒剤の闇取引や、村に駐屯する軍の一部がそれに絡み、さらには主人公カピタニ自身、ある事件に関与していて、彼を追う女性監察官が加わったり、縦横斜めとかなり難しい展開になり、見せ場を結構作ってくれます。
まあ、ただあっさりし過ぎて、例えばこのカピタニが絡んだ事件などの描き方が弱く、その辺り、リアリティが伴わず、ちょっと脚本の力不足を感じてしまいました。
劇中はずーっとルクセンブルク語が続きます。まず滅多に聞くことのない言語ですから、これだけでも見る価値があると愚亭などは感じてしまいます。体型的にはかなりドイツ語に近いのですが、フランス語風なのも随所に挟み込まれます。ちなみに「ありがとう」は仏語のメルシーそのものです。