210621 郷土が生んだ偉大な版画家、川瀬巴水展の記事が区報の最新版に掲載されていたので、さっそく今日、でかけました。
郷土博物館のある界隈を含めて山王あたりまでがいわゆる馬込文士村で、大正後期から昭和初期に活躍した文士ゆかりの場所は、この一年でほぼ制覇しました。
実際の展覧会はこの後、前期、後期に分けて開催されますが、それに先立ち、プレ展示として30点が展示されています。これらの作品は7月11日までしか見られないので、貴重な機会でした。我が家からは一部バスも利用して20分程度のところにあります。
せっかくの展覧会というのに、人影まばら、というか、愚亭一人でゆったりと鑑賞してきました。ダイアナ妃までをも魅了した吉田 博(1876-1950)も素晴らしいですが、川瀬巴水(1883-1957)も負けていません。彼の作品はすでに何度か鑑賞していますが、どれも実にいいです。しかも画題がこの付近のものが多く、それだけ親しみを感じます。なんとなく茫洋とした人柄が画面から立ち上がっている感じがします。
版画というのは、絵師、彫師、摺師の三位一体で、かつ版元という大きな存在がありますから、こうしたいわば分業がうまくいくかどうかは、人柄や感性のケミストリーが合う、合わないということでしょうし、それが大事なポイントでしょう。
巴水の30点のほか、馬込文士村に関する資料も多数展示されていて、それらもじっくりと鑑賞してきました。