ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

「ウォンテッド ローラ&チェルシー」@Netflix

210628 WANTED 豪  3シーズン、全18話

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典型的ロードムーヴィーで女性二人が逃げ回るところは、1991年のリドリー・スコットが撮ったロードムーヴィーの傑作「テルマ&ルイーズ」を彷彿させます。本作は当然、この米国製の作品を意識して作っていると思われます。

逃げ回るのがオーストラリアというところに興味を惹かれます。キャストは全員オージーなので、誰一人知っている俳優はいません。でも、チェルシー役のジェラルディン・ヘイクウィルが大変チャーミングで、その上、歌がうまく(歌手でもあるらしい)、後半かなりダレてきても彼女の魅力で見続けることになりました。

また、相手役、ローラに扮するレベッカ・ギブニーは企画・制作総指揮にも名を連ねており、なかなかの活躍ぶりです。二人とも、そこそこきれいなのですが、なにせ逃亡犯という役どころだけに、きたきり雀だったり、頭もぼさぼさだったり、ノーメイクで、そこはちょっとかわいそうでした。

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バスを待つ二人、この直後、目の前で・・・。

スーパーのレジ係のローラ、公認会計士チェルシー、長い期間、同じバスストップを利用していて、顔見知りではあるものの、口を利いたことはありません。ところが、ある日、バスを待っているところへ、目の前で殺人事件が起こり、目撃者ゆえに犯人に銃で脅され車のトランクに閉じ込められる羽目に。ここから、二人の長い長い”旅”が始まります。

実は二人とも、ちょっと人に言えない過去があり、曰く付きというわけです。さらにチェルシーには親からの遺伝、ハンティントン病という難病がいつ発症するか分からないという厳しい状況にあるのです。

道中、思わぬ殺人を犯したり、収監されたり脱獄したり、いろいろ事件に巻き込まれて何度も死にそうになりますが、その都度、九死に一生となります。絶体絶命の場面で、撃ち手が逆に撃ち殺されるという場面が少なくとも3回は出てまいります。足音が聞こえたり、影が動いたり、犯人が気づかないはず、ないんですが、このあたり、ちょっとリアリティーに欠け、白けます。

舞台は広いオーストラリアだけでなく、タイやNZまで含まれます。海外ロケですから、それなりに経費は膨らんだことでしょう。(余計なお世話ですが・・・)

この二人、喧嘩もしょっちゅうですが、結局、家族以上の固い固い絆で結ばれます。多分、続編が作られることでしょうが、もうすこしひねりを加えて行かないと、チェルシーの魅力だけでは、ファンを繋ぎ止められない気がします。

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