220117 1シーズン、6エピソード 企画:河村光庸、監督:藤井道人(2019年の映画と同じ)
2019年公開の同名の作品(松坂桃李、シム・ウンギョン)は見ていましたが、あまりよく覚えていません。2年前の作品とスタッフ陣はほぼかぶりますが、キャスト陣は9割がた変わっています。
内容も、大枠は同じですが、中身は大幅に書き換えられています。2019年版は加計学園問題を扱ったのに対して、こちらは森友問題をめぐり、政府(内閣府)、財務局(中部)、新聞社、検察など関係者の攻防が描かれます。
全体によく調査していると感心させられる部分が多いです。感じでは8割がたが真相で、2割ほど創作かなというところです。
主人公は原作者でもある東京新聞(映画の中では東都新聞)の望月衣塑子(同じく松田杏奈)で、これを米倉涼子が気負わず好演しています。また改ざんのきっかけを作ることとなった首相夫人付きの官僚・村上を綾野 剛、結局は自殺に追い込まれる改ざん作業の実行役の鈴木に吉岡秀隆、その妻真弓に寺島しのぶ、その上司黒崎に田口トモロヲ、など、演技派が揃っているので、その点でもずっしりとした見応えを感じました。
また、本作で新たに加えられた鈴木の甥で大学生、亮(りょう)役に横浜流星を充て、フレッシュな印象を与えています。他に創作部分で加えられた大物フィクサー豊田にユースケ・サンタマリア、彼の怪演も見どころの一つです。自分の想像ですが、例の伊藤詩織事件の加害者とされる山口敬之(逮捕直前で政権トップからの圧力で、結局不起訴となった)を想起させます。
ラストは名古屋高裁での裁判に臨む村上、松田、真弓、亮が入廷する場面を俯瞰して最終話が終わります。もしかすると、この先、シーズン2があるような余韻も感じました。
予想を上回る見事な出来栄えでした。