220327 THE NIGHT OF THE GENERALS 米 1967 2時間半 製作:サム・スピーゲル、監督:アナトール・リトヴァク、撮影:アンリ・ドカエ、音楽:モーリス・ジャール
どうもこのところ、ナチス絡みの作品ばかりで、気がひけます。どうしても、ここの時代性に惹かれてしまいます。本作は、上記のようにスタッフ陣もすごい名前が並びますが、今思えば、キャスティングも実に豪華です。邦題は原題そのままで、よかったです。本作もまた実話を絡ませています。
1942年、ワルシャワでナチス将軍による娼婦殺しが物語の発端です。目撃者が犯人を見ているのですが、トイレの中からなので、ほんの一部。ずぼんに赤い線が3本入っていたというのです。
これは決定的な情報なのですが、将軍が当時ワルシャワに3人いて、そのうちの誰かということです。しかし相手が相手ですから、捜査する情報部のグラウ少佐(オマー・シャリフ)も慎重にならざるを得ません。
戦線は徐々にナチス側に不利になり、実際のところ娼婦殺しどころではないのです。それにしても、まむしのようにしつこいこの中佐を煙たがり上官は2年後、彼をパリへ追っ払います。
ところが、将軍たちもそろいもそろって3人ともその後パリのナチス本部に来ることに。その中のタンツ将軍(ピーター・オトゥール)が、休暇中に事件を引き起こします。今度は、もろに目撃者が。副官のハルトマン伍長(トム・コートネイ)です。他の将軍たちから、監視役としてタンツの従卒になっていたのです。
この後、例のヒトラー暗殺計画”ワルキューレ”が発動され、事態は大きく動くと期待していた側には他の二人の将軍が含まれていました。この計画は失敗に終わったことは、よく知られた事実です。
途中までは、スリリングに描いていたのですが、途中から先が分かってしまい、興味が一気にしぼみました。でも、ある種狂気を持ったタンツ将軍をオトゥールが熱演していましたが、「アラビアのロレンス」(1962年作品、製作サム・スピーゲル、音楽もモーリス・ジャール、共演にオマー・シャリフとかなり本作と共通するスタッフ・キャスト陣です)そっくりという役作りで、彼自身、どうもかなり常軌を逸していたようでしたから、地で行ってたような感じでした。
名将ロンメルの役で、昨年末に亡くなったクリストファー・プラマーが出ていましたが、ロンメルはヒトラー暗殺チームに関与した疑いをもたれ、服毒自殺したはずですが、本作では、移動中の車に連合軍の機銃照射で死亡、短い出番が惜しまれます。
ワルシャワの娼婦殺人事件を追うグラウ少佐の依頼を受け、フランスでの捜査を担当する警部にフィリップ・ノワレが。
またシャンソニエだったCaveau des Oublietteと思しき地下のナイトクラブで歌うジュリエット・グレコもほんの一瞬の出番でしたが、少しだけ作品に花を添えました。