ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

「アンツィオ大作戦」@AmazonPrime

220401 LO SBARCO DI ANZIOアンツィオ上陸)1968年、2時間、米・伊・仏・西合作、製作:ディーノ・デ・ラウランティス、監督:エドワード・ドミトリク

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1944年に連合軍側が敢行した大作戦の一つで、例のD-DAYの半年前のことですが、日本ではあまり知られていません。原題はただのアンツィオだけですが、これは邦題の方がいいかもしれません。相互に多大な犠牲者を出した、文字通りの大作戦でしたから。

アンツィオはローマから直線で100km南南東にある海岸の町で、隣のネットゥーノの町も含めてここのおだやかな海岸線に闇夜に作戦敢行、連合軍側は拍子抜けするほど楽に上陸したのです。その点、硫黄島やノルマンディー上陸作戦とは大きく異なっていました。

そのままローマまで一気に進軍してしまえばよかったのですが、独軍の抵抗を侮れないと考えていた連合軍、慎重に構えて、そこにどっしりと腰を据えたことが災いして、のちに独軍の巻き返しに遭って、最初に上陸した2大隊約700名のうち生還したのはわずかに7名という惨状で、結果論ながら指揮官に批判が集中したのでした。

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戦争映画に欠かせないロバート・ライアン、出番は冒頭とラストだけですが、存在感はさすがです。ローマ市内を凱旋パレード中、歓迎するローマ娘が投げた花束が顔を直撃して、思わず顔をしかめるシーンが笑えます。本人も思わず苦笑い。一番楽な出演。

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いつも眠そうにしているロバート・ミッチャム。戦争記者で、常に丸腰。独特の戦争感を持ち、冷めた目で核心をついた意見を吐きます。手前はピーター・フォーク。「刑事コロンボ」のイメージが強いですが、ここでは、女と酒大好きだが、勇猛果敢な伍長役。

他に当時26歳のジャン=カルロ・ジャンニーニ(「ハンニバル」)がチェッリーニという兵士役で出演していますが、しっかり見ていないと彼だとは気づかないでしょう。

映画としては金を使った割には凡作に終わったようです。