ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

レクチャー付き「メサイア」(ヘンデル)@中小企業センター区民センターホール(目黒)

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最近、あまり見ることもなくなったFacebookを今朝、たまたま見てたら、このチラシが。さっそく記事をアップした当人(アルトの佐藤 祥さん)にライン、無料だし明日は混むでしょうね?と私。そしたら「今日ですよ!」と返しが。最近、こういう勘違いが増加の一途。困ったもんです。

幸い、我が家からそれほどアクセスの悪いところではないので、そそくさと出かけました。いやあ、めっけもんのコンサートで、大満足!あまり宣伝もしなかったのに、よくこれだけ入りましたあ!と主催者の言葉。確かに、前の方だけ、すこしばかり空席があるものの、ほぼ9割ほど埋まっていました。

実は、愚亭はこれまで生で聞いたことが少なく、配布された歌詞と対訳を見ながらじっくり聞けたのはまことに幸いでした。いつか地元の合唱団でもとりあげたいところですが、あまりに長大で、実現は無理でしょう。技巧的にはそれほど大変というようでもないように感じましたが、男女比のバランスがよくないと難しそうです。

楽器はピアノ、キーボード(オルガン)、ヴァイオリン2、ヴィオラ、チェロ、トランペット(ピッコロ・トランペット持ち替え)、ティンパニーという編成でした。

ソリスト4人と指揮者は舞台下で、キーボード、ティンパニーと同じですが、歌う時だけ、中央のステップを2段上がった位置でした。

客席の列の間の高低差が30cmほどもあり、高齢者は上り下りに苦労してました。

レクチャーというのは、指揮者の小田 彰さんが曲の前後・合間になさるのですが、やたらにお上手と思ったら、なんと牧師さんでもあるのですから、まあ当然なんですね。ユーモアも交え実に巧みな解説で、ずいぶん勉強になりました。

大した略歴です!

 

実際には上の写真よりかなり肉付きがよく、自重で足腰への負担が大変そうでした。振り終わった時は、フラフラされていて、男性ソリストが思わず駆け寄ったほど消耗されていました。

最後にアンコール替わりと、支援するウクライナの国家の演奏がありました。生で初めて聞きましたが、荘重でとてもよい感じの国歌、おもわず目頭が熱くなりました。

終演後、演奏者をマエストロが紹介しています。

ソプラノの北原瑠美さん(左)とアルトの佐藤 祥さん

ソリストだけ、歌う時はマスクを外されていました。マエストロを含め他の演奏者は全員マスク姿でした。

北原さんはとてもピュアな発声が魅力的でした。佐藤さんはアルトですから当たり前ですが、中音から低音にかけての響きがとても豊かです。テノールの石川さんは終演後、マエストロが紹介されましたが、今回がメサイア・デビューだそうです。素直な高音で、宗教曲にはピッタリ。バリトンの稲垣さん、多分、前にも聞かせていただいているはずなのですが、今更ながら潤いのある低音がよく伸び、アジリタ唱法には感動でした。

トークの時間も含め、正味2時間半。ほんとにおつかれさまでした。今回は無料にして、受付にはウクライナ支援金のカゴが並べられ、ほとんどの方が募金に応じていたようでした。なお、11/26に、紀尾井ホールで再演されます。ソプラノにはウクライナ出身で藤原歌劇団所属のオクサーナ・ステパニュクさんが登場予定です。オケも本格的な編成となるようです。乞うご期待!チケットは9/1発売になります。

プログラムに、マエストロのレクチャー(ピンク地の部分)が掲載されているので、4ペイジとも下に貼り付けます。

最後に蛇足ながら、このホールのこと。まず名称がなんとかならないもんでしょうかねぇ。長すぎで、覚えられません。

かなり古い建物の印象です。上の方の画像でも確認できますが、舞台から最奥までの落差が大きい、つまり斜面の傾斜がきついので、前の席の人の頭はほとんど気にならず視界良好ですが、その分、通路の段差が30cmもあるかと思うほどで、とりわけ小柄な高齢者の方々は一様に移動に苦労されていたし、ちょっと危険を感じました。ほどよいサイズで見やすいだけに、ちょっと惜しまれる点です。