ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

「The Defeated - 混沌のベルリン -」

220508 SHADOWPLAY (影絵)仏・独・加合作 監督:モンス・モーリンド(スェーデン、53歳)

舞台が終戦直後の、まさにタイトル通り混沌としたベルリンということだけで、食指が動いてしまいました。そして、見てセーカイでした。全8話というのも程よい長さですし、ちょっと中弛みもありましたが、トータルでは面白く見ました。

主人公はNYPDの若手刑事マックス(テイラー・キッチュ)。4分割されたアメリカ地区での地元警察の捜査に協力し、組織固めをするのが主任務である一方、行方不明となっている兄、モリッツの捜索に全力を上げます。

地元警察内でのトップはエルジーニーナ・ホス)で、売春婦を巧みに使ってさまざま悪事を働く医師グラドウ(セバスチャン・コッホ)を検挙することに目下集中していますが、頭脳プレイでなかなか尻尾を見せません。

一方、マックスの兄は、戦後逃げ延びようとするナチスたちを片端から独特の手法で捉えては残忍な方法で処刑していることに、弟マックスはなかなか気付きません。

また、エルジーの夫レオポルドはソ連側で捕虜として不当に勾留され、ソ連側トップの男が狡猾にも釈放を餌に、エルジーからアメリカ側の秘密情報を引き出そうとします。

こうしていくつかのストーリーを織り交ぜながら進行していきます。なんといっても、瓦礫のベルリンの街並みが見事に再現されています。もちろんCGも使っているのでしょうが、どこか広大な土地に一部を再現して撮影していたようです。ちなみに撮影場所はチェコプラハとか。

終わり方が、次のシーズンがあることをたっぷりと匂わせます。秀作。