ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

「ある日、ローマの別れ」@イタリア映画祭配信

220605 2021 LASCIARSI UN GIORNO A ROMA(訳は邦題のまま)イタリア 112分、 原案・脚本(共)・監督・主演:エドアルド・レオ

エドアルド・レオの作品です。コロナ中のローマ市内での撮影ゆえ、街が大変きれいに映っていて、珍しいローマです。ほぼ、テヴェレ川周辺が舞台です。

二組のカップルが登場します。エドアルド・レオが演じるのは小説家トンマーゾ(トム)で、スペイン人でコンピューターゲーム開発会社ノキャリアウーマン、ゾエ(マルタ・ニエト)と同棲して10年目。危機を迎えています。

もう一組はローマ市長を務めるエレナ(クラウディア・ジェリーニ)とその亭主ウンベルト(ステーファノ・フレージ)。亭主は高校の副校長をしながら、家庭では主夫をやっていて、エレナが仕事熱心のあまり家事・育児にほとんど時間が割けない状況に不平を鳴らしつづけていて、これまた危機状態。

エドアルドとウンベルトは親しい間柄で、互いに連れ合いの不満をぶつけあっています。さらに、トムは別名でネット上で人生相談などをやっていて、相談者の一人がゾエ!!彼女は彼女でボーイフレンド、つまりトムに対する不満を偽名とは知らずトム自身にスマホでぶちまけます。

紆余曲折あって、一組は元の鞘に収まり、もう一組は別の人生を歩むことになるのですが、その辺りの描き方がとてもイタリアンで笑わせてくれます。ツッコミを入れたくなる場面、すくなくないですが、全体としてはよくできていたと思います。

ゾエ役の女優はスペイン人なんで、イタリア語があまりうまくしゃべれません。そこが自然でよかったです。トムはトムでZoeという発音がうまくできず、ゾエからいじられまくります。イタリア語とスペイン語、特に発音は互いによく似ているのですが、微妙なところが違うことがよく分かります。

ゾエはゲーム開発企業のローマ支店長という立場で、結構羽振りがよいので、着ているコスチューム、靴など、いかにも高級そうです。この女優、なかなかの脚線美で、ずーっとミニしか着用していません。

東京へ顧客との打ち合わせで出張、社員へのお土産はなんと100円玉、曰く「これで日本人はインベーダーゲームに夢中なのよ!」って、いったいいつの話かって。要するに、自分は超高級取りのくせにシブチンで、しかも部下には厳しい対応を取っているから、嫌な上司なのです。ですから、やがてロンドン支店長栄転となると、大喜びする部下たち。

ついでですが、ちなみにローマ市長は2016年からつい最近までヴィルジニア・ラッジという若い女性が務めていました。