ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

「ピーキー・ブラインダーズ」シーズン6@Netflix

220621 シーズン6、つまりファイナルシーズンは撮影時期がコロナ禍で中断され、およそ1年以上遅れてやっと配信されました。シーズン5までは➡︎ピーキー・ブラインダーズ S1~5

ここまでも見せ場をふんだんに盛り込み、俳優陣も素晴らしい演技で楽しめましたが、この最終章はそれ以上の出来栄えでした。とりわけ最後の第六話のラストシーンはジーンとなりました。

本作が高評価につながった一因は間違いなく主演のキリアン・マーフィの、ほとんど笑いを見せずニヒルさを全面に出した演技力でしょう。この人、それまで愚亭は劇場用映画で多分、10本程度(ほとんど脇役)しか見ていませんが、こんな立派な俳優だったとは・・・見直しました。名前でも想像つきますが、アイリッシュです。

主役のトミーは、元はと言えばバーミンガムの貧民街を根城にした貧しいロマ一家を、持ち前の胆力、才覚と運で、その世界では名の知れたファミリーにまでのし上げた男。今では、財界のみならず政界にまで幅を利かせる身分。

しかし、依然として裏では、相当やばい商売を続けていて、巧妙に手下を操り、巨額の資金を動かしております。ところが、最愛の一人娘を不慮の病で失うと、さすがに生き方を変えざるを得なくなります。政敵との暗闘を繰り返しながらも、ロマの血を大事にすることだけは忘れません。

そして、ある日、主治医に告げられた死の宣告、とうとうこれでトミーの運も尽きたのかと思わせますが・・・・いやあ、第六話は80分枠として、深い印象を残しました。ちょっとしたトミー・ロスを味わっている次第です。見始めた頃は馴染むのにかなりの時間を要したのですが。終わりよければ、すべて良しです。