ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

「グレイマン」@Netflix

220808 THE GRAYMAN (”人目につかない男”の意)米 122分 原作:マーク・グリーニー「暗殺者 グレイマン」、監督:アンソニー・ルッソ/ジョー・ルッソ(脚本も担当)兄弟 Netflixオリジナル超大作(製作費、破格の250億円)

既に一部の映画館で公開もされてますが、配信も開始しています。これほど完成度の高い作品を配信会社が作ってしまう時代なんだと改めて感じました。

ライアン・ゴズリングが不死身の主人公を演じますが、顔も身体も優男タイプだけに意外性たっぷり。主人公をオファーされたアヴェンジャーでお馴染みキャプテン・アメリカクリス・エヴァンスはそれを蹴って悪役を選んだとか。毎回いい役ばかりというのもいい加減飽きるでしょう。

似たような作品が次々に製作されているので、よほど趣向を凝らし、特徴性をアピールしないとこの種の作品は徐々に見向きもされなくなる時代も遠くないかも知れません。そういう点で、本作は成功していると言えます。撮影技術の高さ、殺陣の作り込み方、CGの精度の高さ、etc.が勝因(?)と思いました。

舞台がバンコクチェンマイ、ベルリン、コロアチア、モナコ、ワシントン、プラハ等々、目まぐるしく移っていき、これも目を楽しませてくれます。

腕を見込まれて、収監されていたところを掬い上げられたシックスという暗号名の主人公はCIAの特殊工作員としてある男の殺害を命じられます。指令を実行しますが、そこでCIAの陰謀を知ることになり、今度は命を狙われる側に。ということで、追いつ追われつの壮絶な見せ場がふんだんに用意されており、画面か目が離せなくなります。

口元がとりわけキュートなキューバ出身のアナ・デ・アルマス、地味ながら演技派、ビリー・ボブ・ソーントンなどがしっかり脇を固めています。子役、13歳のジュリア・バターズがすこぶるチャーミングで、今後どんな女優に成長していくか楽しみでもあります。

撮影現場の一つとなったパリ近郊のシャトー・ドゥ・シャンティーイ、歴史的建造物なので、よく許可が出たものと、太っ腹ぶりに感嘆します。