ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

感動の幻想交響曲@ミューザ川崎

221112

いやあ、もうこの三浦謙司さんがすごかった!なんか出てきた瞬間から、雰囲気がピアニストじゃないんですよ。むしろアスリートみたいな風貌、身体のこなし、仕草・・・。んで、鍵盤に向かったらまるで別人で、驚かされっぱなし。

1階中央ブロック7列目で、指先までよく見えたんですが、指のこなし加減もはんぱなくスタイリッシュでしてね、アンコールのドビッシーの「月の光」では柄にもなく泣きそうになりましたよ。

たまにこう言う人がいるんですよねぇ、上にも書いてありますが、一時期音楽から離れていたと。こういう天才音楽家でも、ふと他の世界を知りたいと思うことってきっとあるんでしょうかね。そう言えば、ヴァイオリニストの千住真理子さんも一時期ヴァイオリンを持たなかったことがあると言ってたのを思い出しました。ただ、元に戻すのがいかに大変だったかとも。

ラヴェルのP協が、なんというか、ガーシュインみたいな感じっていうんでしょうか、すごくジャズっぽかったり、管楽器の使い方が意表をつくように派手な箇所があったりで、とても楽しめました。

そして後半の幻想がまたすごかった。これまで聞いた幻想の中で、愚亭にとってはベスト10に入るような演奏っぷりでした。休憩から戻ると、なんと見たことのないような風景が。ハープが2台、指揮台を挟んで向かい合うようにセットされているんです。まるでゲートのように。

確かに2楽章ではハープ大活躍ですからねぇ。こうして、間近に、真横からハープの演奏を見る機会って滅多にないですから、ハーピストの優雅な演奏姿も楽しめました。失礼ながら、やはりこの楽器、女性に弾いてほしいと思いました。2楽章が終わると終演までハーピストは退場してました。

それにしても弦楽器もそうですが、楽器って、ほんとに流麗で古典的な美しい姿をしているものが多いですね、今更ですが。

2楽章は典雅極まるなワルツです。Mo.川瀬、細身ですから、軽やかに指揮台でダンスステップを刻んでました。時々、飛び跳ねていたし、いかにも身軽です。

それと、コンバスの首席がかなり大きな身振りで、特にピッツィカートでは、時々右腕を放り出すようにしていたのが印象に残りました。もしかして見せる(魅せる)ファクターも大事にしているのかも。

第4楽章の鉦ですが、音色がいつもよりえらく澄んで聞こえたのは、叩き方というより、楽器そのものがもしかしたら違うのかも知れません。舞台から見えない袖の位置でしたから分かりませんが。

今日は全演目を通じて、コールアングレが大活躍。葉加瀬太郎風のヘアスタイルで、顔を真っ赤にしてまるで赤鬼の形相で頑張られていました。配布されたプログラムによると、どうやら最上峰行さんという方らしいです。

今日は演奏のあまりの素晴らしさに、事前にアナウンスで禁じられたブラヴォーが客席から飛びました。