ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

「アドリフト 41日間の漂流」@Amazon Prime

221231 ADRIFT (漂流)英米 2018 1h36m 監督:バルタサール・コウマクアアイスランド出身、ゆえにカタカナ表記は不確か。下のポスターではコルマクウル)

タイトルと上の写真で大体、展開が読めてしまいますね。まずは、これって実話なんです。そこがすごいです。

漂流シーンがメインになるのは当たり前で、合間合間にフラッシュバックで遡って挿話的に過去のシーンが描かれます。

若い冒険好きの男女がタヒチのような島で出会えば(ここは脚色で実際は違ったようです)、まあたちまち意気投合。そこへ偶然出会った旧知の老夫婦から急に家族の事情でロンドンに発つので、自分たちの豪華ヨットをサンディエゴへ回航してくれないか、もちろん報酬ははずむからと。

そりゃ飛びつきますよね、こんな話。女の方は自分がそこから来ているので、今、帰るのを渋りますが、男とすでに恋仲でもあり、最終的に承諾します。

出航したはいいけど、しばらくすると巨大ハリケーンに襲われヨットは完全に裏返しに。でもなんとか復元しますが・・・・運命を恨みます。怪我はしますが、幸い二人ともなんとか生存してあとは風まかせで漂流すること、実に41日!しかも、本当のハッピーエンドではありません。

映画の1時間20分辺りで、二人とも朦朧とし、幻影を見たりしているうちに、女は「もう行ってもいいわ」などと口走っています。直後、脚と肋骨に大怪我していた男は波に呑まれてしまうのですが、女は気づいたのか、気づいてないのか・・・哀れです。

ちょっと辛いというか、せっかくもうちょっとというところだけに、悲しいというか、運命を恨みますね。でも、それまでは運命に微笑まれてもいたわけで、仕方ないんですかねぇ。

この海上での撮影はそうとう厳しかったと思われます。どうやって撮影したのか、カメラワークに圧倒されます。クルーも含め全員が船酔いに参っていたそうですし、肌が日焼けしてぼろぼろになっていたでしょう。メイクだけでは、無理(怪我のシーンは別として)でしょうから。よく頑張ったと思います、タミー(シェイリーン・ウッドリー)は特に。