230306 SOLACE (慰め)米、2015 1h41m 監督:アルフォンソ・ポヤルト(ブラジル)主演のアンソニー・ホプキンスは製作総指揮にも。
連続猟奇殺人事件を追うFBIと、それに協力する超能力(サイキック)を備えた犯罪アナリスト、そして犯人側もまた超能力を持つ男の対決を描く息詰まる展開のサイコ・スリラーです。サイコとかサイキックが登場する作品はあまり好みではありませんが、出演者に興味を覚えて見始めました。
FBI女性捜査官(アビー・コーニッシュ)とサイキックのジョン・クランシー博士(アンソニー・ホプキンス)の出会いは、まさに例の「羊飼いの沈黙」のハンニバル・レクターと捜査官クラリス(ジョディ・フォスター)のそれを思い起こさせました。意図的だったのかも。
サイキック同士で、なんとなく互いに力量が分かるもんですね、相手チャールズ・アンブローズ(コリン・ファレル)が自分より上と感じた博士は自分はこの捜査から降りると言い出しますが、昔馴染みの主任捜査官ジョー(ジェフリー・ディーン・モーガン)に説得され留まります。多分、ジョンには全貌がある程度、見えてしまって、あまり愉快でない結末を予見できたんでしょう。
つまり犯人の殺人理由を想像したのではないでしょうか。その理由とは驚くべきものでした。やがてまったく同じ心理状況に彼も陥り、不治の病と戦う自分の娘に犯人の心理が投影されます。
撮影が・・・なんと言うかさまざまカメラアングルや高速度撮影や超細密撮影を駆使して、まるで芸術作品のように魅せます、引き込まれます。なんということのない平凡な画面が、まるで魔法がかかったように見せてくれます。
ホプキンスの演技は今更付け加えることもないのですが、やはり達人芸です。それと女性捜査官を演じるアビーさんがよかったです。キリリとした演技もよかったし、なにせ引き締まった美貌ですから。かっこよさはシャーリーズ・セロン並みかな。
犯人役はアイリッシュのコリン・ファレル!すごいですよ、ホプキンスVS.ファレル、これだけでもゾクゾクとします。
途中、カーチェイスがあったり、また終盤の犯人と博士の対決シーンも盛り上げてくれました。見て損はないです。
原題のSOLACEは「慰め」の他に「恨み」という意味も。邦題はこれでよしとしましょう。