ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

METライブビューイング 「ロメオとジュリエット」@東劇

240521 久しぶりに東劇へ。ここは小学校(豊洲小学校高学年)の頃から通った劇場で、懐かしい限りです。もちろん当時からは改修工事をしていていますから、外部も内部も当時(1950年代)とは別物ですが、場所はそのままです。

この作品、危うく見損なうところでした。上映期間は基本1週間で、普段は川崎で見るのですが気づいた時には期間を過ぎていて、辛うじてこの劇場だけが1週間追加上映で、ギリ間に合いました。

なんたって、ネイディーン・シエラさまがお出になられますから!まあ、それはそれは素晴らしいものでした。前に見た「ルチア」の時も感動しましたが、今回のはそれをさらに上回るものでした。この方、歌唱だけではなく、演技力もばつぐんですから。フロリダ出身、ただ名前からしてラテン系と思っていましたが、母方がポルトガルの出なんですね。

それはともかく、あらゆる音域をまんべんなく同じように歌えるってソプラノ、しかもコロラトゥーラでもあるのですが、なかなか世界中探しても見当たらないと思いますね。上背もあり、スタイルもいい美貌となると、天下無敵感が漂います。

神父役は黒人歌手。黒人、アジア人と多彩な出演陣でした。多様性、意識していますね。

お相手のバンジャマン・ベルナイム、私は名前すら知りませんでしたが、結構売れっ子らしいです。フランス人ですが、名前からしてドイツ系で、もしかしたらユダヤ人かも知れません。

容姿はごく普通、声はテノーレ・リリコ、ややレッジェーロで、スピント感はありません。この役にはピッタリ。シエラとはすでに何度も共演を重ねていて、かつてのネトレプコヴィリャソンの組み合わせを彷彿させるとは、メト総支配人ピーター・ゲルプの弁。

幕間のインタビューでは、英語で普通に応じていました。結構、器用な歌手のようでした。何語でも歌えるし、それぞれの役のよさを感じられるとして上で、今回のように母国語で歌えるのはやはり、それだけ没入できると語っていました。当然でしょうね。

開幕前、休憩時間での恒例のインタビューですが、今回はバスのライアン・スピード・グリーンが担当、これがものすごい声でしびれましたね。まったく人材豊富のメトです。

ところで、劇中最も有名なアリア「私は夢に生きたい」は割に早く登場します。もうこれで完全に持っていかれますね。

あとは衣装の素晴らしさと合唱の見事さ。合唱シーンが多いことにも驚かされます。もちろん主役二人以外のソリスト陣もいずれも期待を裏切りません。特に、小姓ステーファノを演じたメゾソプラノサマンサ・ハンキー、こちらも存在感たっぷりでした。

サマンサ・ハンキー、タッパがあって、最初は男性かと見まごうほど。

定評あるヤニック・ネゼ=セガン指揮(現在、たまたま来日中)のオケはもちろんですが、バートレット・シャーの演出も出色の出来でした。オペラでこれほど歌はもとより進行にのめり込むことってあまりありませんからね。

いやあ、ぎりぎり上映期間に間に合ってラッキーでした。次は「つばめ」、見逃さないようにしないとね。

なお、上の画像、動画は松竹のHPからお借りしたものです。