ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

「雨の日は会えない、晴れた日は君を想う」Amazon Prime

240615  DEMOLITION(解体)、2015  米 1h41m 監督:ジャン=マルク・ヴァレ(1963-2021)フランス語の名前なんで、気になって調べたらやはりカナダ人。しかもすでに故人!!愚亭が見た彼の作品では「ダラス・バイヤーズクラブ」(2013)、「私に会うまでの1600km」(2014)などが印象に残ります。病死とは言え、50代はもったいない。

どんな映画かわからないまま、単に、割と好きなジェイク・ギレンホールが主演というんで、見る気になりました。

冒頭、いきなりの交通事故であっという間に妻を失います。主人公のデイヴィス(ジェイク・ギレンホール)は、義父フィル(クリス・クーパー)が経営する投資会社の役員で、当然ながらいい生活をしています。

最愛の妻の突然の死は彼をどんな精神状態に陥れるかと言うと、これが普通じゃないんです。あまり悲しそうでもないし、自分でも「ほんとに彼女を愛してたんだろうか?」と自問するほど。

象徴的だったのは、妻の病室近くのスナック自販機からコインを投入しても欲しいスナックが機械の故障で出てこないことに腹を立て、自販機の会社にクレームするのですが、それも電話すれば済むことなのにながながと手紙を書くのです。しかも、どうしてそこの自販機を利用することになったか、長い説明付きで。

もうこの時点で精神的な錯乱状態なんだな、と思うしかないところですが・・・この後、さまざま”普通”でないことが起きます。とりあえずはその手紙を読んだ相手(これがお久しぶりのナオミ・ワッツさん!)もまた彼の”異常”さにふさわしいような対応をするので、とんでもない展開が待っています。

義父からは問題にぶちあったら、一旦解体して、組み立て直すことが肝要、と日頃諭されてきたこを思い出し、オフィスだろうと、自宅だろうと、片端からモノを解体し始めます。とうとう最後は自分が住む豪邸までも・・・。

どうなっちゃうんだろうと、ハラハラドキドキしますが、ラストはうまく回収して、収まるところへと。事故があって、妻への愛情にやっと気づいたんだとすれば、ちょっとねぇ。

それにしてもどうにかならなかったでしょうか、この長ったらしい邦題!