ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

「BLACKOUT - ヨーロッパ大停電」@AmazonPrime

240629 2021  独 ミニTVシリーズ 全6話、各45min.

これは期待以上に面白かったです。副題にあるようにヨーロッパの主要国が一斉に停電になり、それも11月で、日が短くしかも寒い時期ですから、各国全土で大騒ぎになり、パニックから暴動にまで発展します。

6日ほどで収束するのですが、その間、さまざまなドラマが同時進行していきます。物語のスタートは北イタリア、ドイツとの国境近くの都市、ボルツァーノ(ドイツ語名ボーゼン)在住の男(これが主人公となるピエール・マンツァーノ、名前はフランス式、姓はイタリア式ってとこも面白いのですが、主として独語で進行しますが、折々イタリア語も混じるとこも、なかなか愚亭には興味深かったです)が、この事態に思い当たる節があるのか、友人とあたふたと、どこかへと車で向かいます。

実は20年前の2001年、ジェノヴァ・サミット(日本からは小泉首相が参加)の時に、騒ぎを起こした若者の集団がいて、一斉に捕縛されたのですが、その中にこのマンツァーノも。当時彼は天才的なハッカーだったのです。その時に彼らが考えたことこそ、20年後に現実の問題となったというわけです。

それは、あるコードを用いてヨーロッパ主要国の発電施設を無力化するという途方もないものでした。その時のコードは彼一人の頭の中にあったのですが・・・実は仲間の何人かに漏らしていたことを思い出したのです。

舞台はほとんどがドイツ国内に限られていますが、ハラハラ・ドキドキで、結構引き込まれました。最終第6話で、なんだ、こんなことで!ってな結末が待っているのですが、実に作り込まれた脚本が見事でしたし、撮影もすばらしかったし、含みのあるラストもよかったです。

確かに、もし日本でこんなことがおこったら、と思うとかなり恐ろしい気分になりますよ。

出演陣、だあ〜れも知りません。ま、ドイツのテレビ界のことですから、当然ですが。